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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十七話 夜に入ってその八

「ないよ」
「それどころじゃないわね」
「電力もないから」
「イルミネーションなんてないわね」
「夜宇宙から見た映像が凄いんだ」
 これがまた必見だ。
「日本や中国、韓国は明るくてね」
「街の灯よね」
「人口の集まり具合に比例してね」
「そうなっているのね」
「それが北朝鮮のところだけ真っ暗なんだ」
「灯りないのね」
「うん、夜になると真っ暗になるんだ」
 それだけ電力、街を照らす灯りがないということだ。
「それじゃあイルミネーションなんてね」
「ないわね」
「夢みたいだよ」
「本当に何もないのね」
「自由は言うまでもなくね」
 これと人権があの国で一番ないものだろう。
「そんな国と比べたら」
「日本は全然いいわね」
「そうだよ、そんなに北朝鮮がいいのなら」
 こうも思う。
「あそこに住めばいいんじゃないかな」
「それは出来ないでしょ」
「すぐに死ぬと思うよ」  
 理由は簡単だ、食べるものがないからだ。
「あの国は」
「それでもいいのかしら」
「本気でそう言ってるのなら冗談抜きでおかしいし」
「結婚して子供が出来たら」
「その時はね」
「お子さんにはそうなって欲しくないわね」
「絶対にね、まあ普通はそうならないと思うけれど」
 北朝鮮がいいと思う様にはだ。
「流石にね」
「幾ら何でもね」
「今そう思っている人もね」
「おかしな人ばかりよね」
「相当にね、そんな人になる位なら」
 それこそだ。
「不良になる方がずっと可能性あるけれどね」
「それはあるわね」
「ぐれることはあっても」
 それでもだ。
「そっちの可能性は遥かに低いよ」
「けれどそれでも」
「そうはならない様にしているよ、うちの一族でもね」
 八条家の人達でもだ。
「あの国いいって言う人いないし」
「それは当然よね」
「当然なんだ」
「だって会社経営していたら」
 それならとだ、香織さんは僕に話してくれた。
「資本家ってなるから」
「共産主義はどうかってなるね」
「そうでしょ」
「うん、あの国は共産主義じゃないと思うけれど」
 現代にある古代封建国家ではないだろうか、世襲制で階級があってしかも独裁政治だ。何処が共産主義なのか。
「それでもだね」
「一応そう言ってるでしょ」
「だからだね」
「それじゃあ会社経営しているとね」
 どうしてもというのだ。
「自然とそうなるわよ」
「まあ昔からあの国好きじゃなかったけれどね」
 八条家、僕の一族はだ。
「何でもあの国が出来た時から」
「もう七十年以上昔よね」
「その時からそうで」
 香織さんの言う通り共産主義自体に極めて否定的だった。
「今もね」
「好きな人いないのね」
「そうなんだ」
 これがだ。 
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