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夢幻水滸伝

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第百五十一話 吹雪の中の夜襲その十三

 戦局はまだ決まっていなかった、だが正岡は吹雪の中戦局を見て言った。
「このままぜよ」
「攻めていけばええな」
「そうぜよ」
 共にいる麻里佳に答えた。
「いい感じぜよ」
「まだ敵はめっちゃ多いで」
「それでもぜよ」
「流れがなん」
「こっちに傾いてるぜよ」
 だからだというのだ。
「ここはこのままぜよ」
「攻めていけばやねんね」
「勝機が見えるぜよ、ただ」
「ただ?」
「決まるまでには時間がかかるぜよ」
 そうなるというのだ。
「大軍が相手だからのう」
「それは避けられへんか」
「だからぜよ、腹が減ったら」
 その時のこともだ、正岡は話した。
「飯はちゃんと食うぜよ」
「そうしないとですね」
 織田もいて彼も言ってきた。
「身体が冷えて」
「それで満足に戦えん様になるぜよ」
「そうなりますね」
「それで、ぜよ」
 正岡はさらに言った、今彼等の軍勢は前線に銃撃を浴びせている、突撃ではなくそちらで攻めているのだ。
「わし等もじゃ」
「食事は、ですね」
「忘れてはいかんきに」
「そうやね、あったかいもん食べような」
「この寒さでは」
 織田は吹雪、自分達の周りのそれを見回して話した。
「お握りも凍ります」
「そうなるのが問題ぜよ」
「そうですね」
「だからあったかいもんを作らせてるきに」
「お鍋ですね」
「それぜよ、それは」
 何かもだ、正岡は言った。
「軍鶏鍋ぜよ」
「正岡さんのお好きな」
「もうすぐ出来るきに」 
 それでというのだ。
「皆で食べるぜよ」
「そうしますね」
「そうぜよ、やっぱり寒い時はお鍋ぜよ」
「戦の前にお鍋やったし」
 麻里佳はその時のことを思い出して話した。
「それでやね」
「今度もぜよ」
「続けてお鍋食べて」
「それであったまってぜよ」
「また戦うんやね」
「そうするぜよ」
「ううん、お鍋が続くと」
 どうかとだ、麻里佳は考える顔になって述べた。
「飽きるのが」
「心配になりますね」
 織田は麻里佳のその言葉に応えた。
「どうしても」
「そこがな」
「ああ、お鍋は今回で終わりぜよ」
 正岡は笑って応えた。
「次は次で、ぜよ」
「別のお料理にするんやな」
「そうぜよ、あったかいもんは当然にしても」
「お鍋はそれで終わりで」
「それで、ぜよ」
 正岡はさらに話した、銃撃をする隊の後ろでは実際に調理が進められている。野菜や鶏肉が鍋に入れられていっている。 
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