| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十一話 吹雪の中の夜襲その十四

「次は豚汁ぜよ」
「ああ、それは確かにな」
「あったまるぜよ」
「そやな」
「あと粕汁に」
 正岡はさらに言った。
「おうどんもぜよ」
「食べるんやね」
「おうどんにはお餅も入れるきに」
「あっ、力うどん」
「それにするぜよ」
「ええな、うち力うどん好きやねん」
 麻里佳は正岡の今の言葉に目を輝かせて話した。
「おうどんはどれも好きやけど」
「特にか」
「そや、力うどんがな」
 まさにこのうどんがというのだ。
「好きで」
「それでぜよ」
「それを出してくれるんなら」
 それならというのだ。
「思う存分戦えるわ」
「それはええこぞじゃな」
「問題は食事の時を狙われることですね」 
 織田はこのことを指摘した。
「やはり」
「だから交代で、ぜよ」
「食べていきますか」
「そうぜよ、銃撃をするモンと」
「食べる人達に」
「分けるぜよ、そしてたらふく食っても」 
 それでもというのだ。
「急いでぜよ」
「それは絶対ですね」
「さもないとじゃ」
「戦をしていますから」
「あかんきに、お鍋はご飯を雑炊にして」
 それでというのだ。
「最後まで食べてじゃ」
「温まりますね」
「そうぜよ、お鍋は雑炊までがお鍋じゃ」
「だからですね」
「それでじゃ」
「そこまで食べて」
「徹底的にあったまってぜよ」
 そうなってというのだ。
「そしてぜよ」
「戦い続ける」
「そうするぜよ」
「そうしますか」
「うむ、何しろ今気温はマイナス二十三度じゃな」
「そやで」 
 麻里佳が答えた。
「今気温はな」
「そこまでの寒さじゃ」
「それならやな」
「あったかいもん食って」
「服も着てカイロも着けて」
「そうして戦ってぜよ」
 そのうえでというのだ。
「勝つぜよ」
「そやな、しかしお鍋も」
 ここで麻里佳はそちらの話もした。
「錬金術と科学で寒気防ぐ生地のテントの中で作らんとな」
「この寒さぜよ」
 マイナス二十度を下回るそれだからだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧