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八条学園騒動記

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第五百八十一話 皆で入るその五

「やっぱりな」
「じっくり入るね」
「こうしてな」
「それで頭痛い?今」
「痛いけれどな」
「かなりましになってきているね」
「ああ」
 洪童は微笑んで答えた。
「いい感じだ」
「そうだね」
「本当に風呂に入るとな」
「二日酔いって急によくなるね」
「それまでのことが嘘みたいにな」
 二日酔いの苦しみ、それがというのだ。
「なくなってな」
「すっきりするね」
「いや、もうね」
 マルティも言ってきた。
「もう入る前の苦しみが」
「なくなってきたね」
 ベンは笑顔で応えた。
「そうだね」
「ああ、もうね」
「それこそだね」
「すっきりして」
 それは顔にも出ていた。
「楽になってきたよ」
「二日酔いって不思議だよね」
「お風呂に入るとすぐに消えるからだね」
「それまでは死にそうでも」 
 そこまで辛くてもというのだ。
「それがね」
「お風呂に入って汗をかいたら」
「もうね」
 それでというのだ。
「楽になって」
「何でもなくなるね」
「これがね」
 実に、というのだ。
「不思議だよ」
「それはそうだね」
「温泉で治療にいいっていうから症状になるかも知れないけれど」
 マルコも言ってきた。
「それでもね」
「お風呂に入ると驚く位に楽になるから」
「楽な症状かな」
「そうだね」
「どれだけ辛くても」
 頭が痛く身体が辛くてもというのだ。
「それだけですっきりとするんだったら」
「楽な方だね」
「症状としてもね」
 そうなるとだ、マルコはベンに話した。
「そうなるね」
「そうだね」
「シャワーもいいけれどな」
 二日酔いにとだ、洪童は話した。
「風呂の方がな」
「遥かにいいんだよね」
「さっきもこう言ったが」
「それを今実感するね」
「風呂に入るとな」
 実際にそうすればというのだ。
「よくな」
「そうだよね」
 マルコは洪童にも応えた。
「本当に」
「全くだな、じゃあこのままな」
「お酒抜いていこうね」
「完全にな」
「そろそろ湯だってきたから」
 マルティはここでこう言った、見れば四人共肌が赤くなってきている、そして額には汗をかいている。 
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