八条学園騒動記
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第五百八十一話 皆で入るその四
「胸刺しただろ」
「そうだったかな」
「切腹じゃなくてな」
「お腹だったかって思ってたけれど」
「胸だろ、まあ切腹は有名だな」
洪童はそちらに話を戻した。
「日本の武士の自害の方法だな」
「それでお腹を切って」
マルコは湯舟の中でその動作をしつつ話した。
「介錯も受けるんだね」
「首切られるんだね」
「そうだったね」
「首を切るのは苦しまない為でね」
またベンが言う。
「それで切腹がね」
「それがなんだ」
マルティはまたベンに応えた。
「鰻の捌き方にもなんだ」
「影響していてね」
「日本の武蔵星系だと背中から切るんだ」
「切腹にならない様にね」
その様に考えてというのだ。
「そうしているんだ」
「そうなんだね」
「それでお蕎麦は噛まないし」
ベンは武蔵星系の食文化についてさらに話した。
「お寿司とか天麩羅もね」
「何かとあるんだ」
「あちらのこだわりがね」
「そうなんだね」
「それでお風呂の入り方も」
これもというのだ。
「独特なんだ」
「熱いお風呂にさっと入るんだ」
「何でも江戸っ子は気が短いらしくて」
「それでなんだ」
「一気に入って」
そしてというのだ。
「すぐに出るんだ」
「成程ね」
「けれどそれだったら」
マルコが言ってきた。
「今みたいにね」
「お酒を抜くにはだね」
「不向きだね」
「その時はその時だと思うよ」
「長く入るんだ」
「それで水風呂にも入って」
そしてというのだ。
「冷やしてまたね」
「入るんだ」
「熱いお風呂にね」
「そこはその時で違うんだね」
「江戸っ子はこだわるらしいけれど」
その生活スタイルにだ。
「それでもね」
「そうした時はだね」
「特にこだわらないで」
それでというのだ。
「熱いお風呂にじっくり入って」
「お酒抜くんだね」
「そうだと思うよ」
「成程ね」
「まあそれが普通だな」
洪童も頷いた。
「お風呂もその時々で入り方が違うな」
「そうだね」
マルコは洪童の言葉に頷いた。
「それはね」
「俺もシャワーで済ませる時もある」
「そうなんだ」
「お風呂好きだけれどな」
それでもというのだ。
「時と場合によってな」
「シャワーだけなんだ」
「それで済ませている」
「そうなんだね」
「ただな、今みたいな時はな」
二日酔いの酒を抜く時はというのだ、実際汗をかいてかなり抜けてはいる。
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