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八条学園騒動記

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第五百八十一話 皆で入るその三

「何といってもな」
「うん、じゃあね」
「このまま入るか」
「そうしていこうね」
「しかしこのお風呂温度高いね」
 ベンはお湯のそれの話をした。
「四十度あるよ」
「うん、だから一気に身体が熱くなって」
「汗が出てね」
「お酒が抜けるね」
「そうなっているね」
「三十八度位だと」
 マルティはこれ位の温度のお風呂の話もした。
「結構ね」
「ぬるいよね」
「二度位の筈なのに」
 これがというのだ。
「随分違うね」
「そうだよね」
「これが四十二度だと」
 これ位ならというと。
「もうね」
「熱湯だね」
「結構以上な暑さだよ」
「そうなんだよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「お風呂のお湯の温度は」
「ちょっとの差がね」
 一度や二度のそれがというのだ。
「大きいね」
「本当にそうだね」
「何かな」 
 洪童は自分が復活していくのを感じながら言った。ベンが彼に顔を向けている。その彼に対して言うのだった。
「日本だと熱い湯に入ってすぐに出る」
「そんな入り方もあるね」
「そうだな」
「確か江戸っ子だったね」
「江戸っ子か」
「うん」
 ベンも答えた。
「その入り方はね」
「江戸って東京だったな」
「昔の日本の首都でね」
「そこの入り方か」
「今は武蔵星系にその文化があるよ」
 江戸のそれがというのだ。
「それであっちじゃね」
「熱い湯に入るんだな」
「それですぐに出るんだ」
「そうした入り方か」
「それで熱いからってお水でぬるくしたら」
 そうすればというと。
「怒られるんだ」
「そうなんだな」
「江戸っ子の入り方だとね」
「それであれだよね」
 マルティも言ってきた、もうかなり復活している。
「お蕎麦もね」
「ざるそばをよく食べてね」
「それで噛まないんだよね」
「それで一気に飲むし鰻の切り方も」
 これもというのだ。
「背中からなんだ」
「そこから切るんだ」
「そうなんだ」
「背中からっていうのは」
「切腹じゃないから」
 それはというのだ。
「だからなんだ」
「切腹ね」
「日本にはあったね」
「あれだね、オセローもしていた」
 マルティはここでもシェークスピアを出した、シェークスピアの悲劇の名作の一つとして知られている作品だ。
「お腹を切る自殺の方法だね」
「オセローは胸だろ」
 洪童はオセローの自殺の仕方についてこう述べた。 
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