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夢幻水滸伝

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第百五十話 夜襲その十二

「それでもな」
「うちやったらやの」
「早めに勝てるからな」 
「相性もあって」
「それで小雪ちゃんに向かってもらうわ」
 こう綾乃に話した。
「是非な」
「ほな」
「そういうことでな、それでや」
「今からやな」
「戦の場に入るで」
「そうしよな」
「さて、暫く采配は吉川がしてくれるな」
 中里はそちらの話もした。
「あいつは基本水軍やが」
「陸の方の采配も出来るね」
「ああ、少なくとも卓上の采配を見るとな」
「的確やね」
「やっぱり水軍の采配の方がええが」
 それでもというのだ。
「あいつは陸もな」
「采配出来るから」
「任せていてええな」
「そやね、正直吉川君がいてくれて」
 綾乃も彼について話した。
「今回はな」
「助かるな」
「まだはじまってへんけど」
「正直あの子が陸でも采配出来るさかい」
 それでというのだ。
「助かるわ」
「ほんまにな」
「それにな」
 綾乃はさらに話した。
「六十万、少ないけど」
「最強の六十万やな」
「その自負があるし」
「鍛えに鍛えた精兵達や、実戦経験もや」
 こちらもというのだ。
「あるからな」
「それでやな」
「負けるつもりはないわ」
 まさにというのだ。
「装備もええしな」
「それに采配もやね」
「そや、こっちは多くの星のモンがおって」
「全体の采配も吉川君がしてくれるから」
「僕等三人がおらん間もな」
「充分やね」
「そして僕達三人が戦場に戻れば」 
 その時はというのだ。
「やっぱりな」
「絶対に勝てる」
「そうなる、とはいってもな」
 ここで芥川はこうも言った。
「戦場は卓の上でするもんやない」
「現場でするものや」
 中里も言ってきた。
「そういうことやな」
「常に何が起こるかわからん」
「それはこれまでの戦でよおわかってきた」
 中里は腕を組んで述べた。
「ほんまにな」
「僕もや、この世界に来てな」
「実際に戦ってみてやな」
「戦ってのは常に動いてや」
「不測の事態も起こるな」
「常にな、卓の上で済むもんやない」
「若しそれで済むならな」
 それこそという言葉だった。
「楽やな」
「これ以上はないまでにな、それで今回の吹雪もな」
「まさにそれやな」
「こっちには不利な事態は最低限に抑えるけどな」
「有利な事態はやな」
「思いきり使うで、ほなええな」
「ああ、やったるか今回も」
 中里は笑顔で応えた、そうしてだった。
 他の仲間達と共にそれぞれの持ち場についた、日本と同盟の決戦は今ここに幕を開けようとしていた。


第百五十話   完


                  2020・2・15 
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