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夢幻水滸伝

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第百五十話 夜襲その十一

「そしてや」
「二十倍の数の大軍を倒して」
「星のモンもや」
「僕は小泉でやな」
「うちは小雪ちゃんで」
 綾乃も言ってきた。
「それでやな」
「ああ、僕は碧ちゃんに向かうわ」
 芥川はここで少し嫌そうな顔になって述べた。
「そして勝つわ」
「嫌そうやな」
「いや、絶対にな」
「誘いかけられるからか」
「婿にならんかってな」
 そう言われるからだというのだ。
「それでな」
「嫌やねんな」
「あの娘と一騎打ちの相性は僕が一番ええが」
 それでもというのだ。
「正直な」
「戦をするにはやな」
「どうもな」
 これがというのだ。
「難儀な娘や」
「それ言うたら僕もな」 
 中里もこう言った。
「正直な」
「碧ちゃんとはやな」
「そや、ほんまにな」
 どうにもとだ、中里は芥川に話した。
「闘うのはな」
「どうかってなるな」
「絶対に婿にならんか、やからな」
 碧がそう言ってくるからだというのだ。
「それで夜の話してくるしな」
「それがどうもやからな」
「わかるわ、しかしやな」
「ああ、あの娘は一騎打ちでの強さは相当や」 
 まさにというのだ。
「相手に出来るのは日本の星のモンでも少ない」
「魔物との戦では鬼神様みたいに暴れるっていうな」
「もう素手で猛獣を一撃で倒してな」
 碧は実際にそうしたことをしたこともあった、冒険者として活動していた時はとかく暴れ者として知られていた。
「術も縦横に使う」
「采配も出来るけどな」
「むしろやな」
「真骨頂は魔物との戦いにな」
「一騎打ちやな」
「そや、同盟は一騎打ちに強い星のモンが多いが」
 その中でもというのだ。
「碧ちゃんは相当や」
「小泉や玲ちゃんと並ぶか」
「そやな、あと愛ちゃんも強いが」
「その三人にもやな」
「匹敵する位な」
 そこまでというのだ。
「強いわ」
「それでやな」
「僕等三人のうちの誰かが行く必要があるが」
「僕は同盟で一番強い小泉に向かう」
「そして綾乃ちゃんが小雪ちゃんに向かうやろ、そやったら」
 芥川はやはり少し嫌そうに話した。
「あの娘には僕や」
「そうなるねんな」
「うちが碧ちゃんに向かうのは」
「いや、小雪ちゃんの回復系の術は凄いやろ」
 芥川は綾乃の申し出にこう返した。
「それで出来たらな」
「うちでやの」
「一番最初に倒してもらってな」
 綾乃の術と大蛇の力でというのだ。
「それでな」
「敵軍の一番の回復系の使い手を倒して」
「そこから綾乃ちゃんの力をな」
「軍勢同士の戦に向けたいからやね」
「それで綾乃ちゃんは小雪ちゃんに向かってもらいたいんや」
「そやねんね」
「勿論あの娘も強いけどな」
 小雪にしてもというのだ。 
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