夢幻水滸伝
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第百五十話 夜襲その九
「誰でも使うし」
「総合的に見るとな」
「兵器売るのは儲かりにくいな」
「そや、儲かりそうでや」
これがというのだ。
「実はや」
「儲からんもんか」
「儲けようと思ったら戦やるよりもな」
「平和にすることやな」
「その方が儲かるんや」
「よく資本主義が戦起こすって聞いたけど」
ここでこう言ったのは綾乃だった。
「確か」
「それはな」
「ちゃうね」
「そこで共産主義が平和をもたらすやな」
「昔の学校の先生は言うてたね」
「いい鉄は釘にならん、いい人が学校の先生にならん」
芥川は綾乃に応えてこの言葉をこの上ない侮蔑を込めて出した、そこには彼が知っているものが明らかにあった。
「日本ではそう言うけどや」
「学校の先生の言うことを疑え」
「あんな腐った奴が多い世界もないしな」
「うち等の通ってる八条学園はちゃうけど」
「そや、私立はコネで入る場合もあるけど面接とかで見られる」
「どんな人か」
「その上で採用されるけどな」
それがというのだ。
「けど公立はちゃう」
「日教組の影響があったね」
「あそこの思想に染まった奴ならな」
「誰でも入って」
「日教組はとんでもない組織や」
言うまでもなく、というのだ。
「北朝鮮の教育が理想や」
「その時点でめっちゃおかしいし」
「その思想に染まった連中ばかりやからな」
「そんな人等が言うことで」
「信じたらあかん」
「北朝鮮の言うことと一緒やね」
「そんなんおかしに決まってる」
芥川は苦い顔で言い切った。
「北朝鮮がどんな国か」
「言うまでもないし」
「中には北朝鮮の賛美を生徒に言う教師もおるんや」
「物凄いわ」
「外の世界でそんなん言うたら絶対にアホ扱いや」
芥川は吐き捨てる様にして言い切った。
「あの国がどんな国か誰でも知ってるからな」
「ほんま最悪の国やね」
「そんな国を理想って言う連中の言うことはな」
それこそというのだ。
「気にしたらあかん」
「そういうことやね」
「むしろ共産主義は世の中混乱させて革命起こさせてな」
「戦争を誘発するのがやね」
「事実や、ソ連が何してきたんや」
芥川は歴史からも話した、忌々し気な口調が強くなった。
「一体な」
「満州に攻めてきたし」
「バルト三国を無理矢理併合してフィンランドに攻め込んだやろ」
「ハンガリー動乱もプラハの春も潰して」
「アフガンにも攻め込んだわ」
「それが事実やね」
「平和勢力とちゃうわ」
断じてというのだ。
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