夢幻水滸伝
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第百五十話 夜襲その八
「ええことや」
「平城京の会議でそれ決めてよかったわ」
「お陰で太平洋も地下世界も巻き込んでのとんでもない戦にならんでよかった」
「若しそんな戦するとなったら」
「もうな」
「統一した時は太平洋も地下世界も全土やったな」
「そうなってたな」
間違いなくとだ、中里はその目を曇らせて述べた。
「実際に」
「そやね」
「日本が勝ってもな」
「そうなってるわ」
「それを防ぐ為に」
まさにというのだ。
「お互いに一戦、全力でぶつかって勝敗を決めるってしたんはな」
「よかったわ」
「ほんまにな」
「国土を荒さんで民の人達に迷惑かけん様にって考えたら」
「ええ取り決めやったわ」
「戦は短期決戦に限る」
芥川もここで言った。
「長々やってええことはないわ」
「ほんまにそやな」
「二度の世界大戦でもそやったやろ」
芥川は中里に自分達が起きた世界のことを話した。
「そやったろ」
「ああ、どっちも大勢の人が死んだしな」
実際にとだ、中里も答えた。
「それで欧州はボロボロになったわ」
「それが結局僕等の世界の欧州の衰退につながった」
「そのことを考えるとやな」
「戦は長くするもんやない」
決してというのだ。
「出来るだけせん様にしてな」
「それでやな」
「やるとなったらな」
その時はというのだ。
「ほんまにや」
「短期決戦やな」
「それで終わらせるべきや」
「このことに僕等は平城京の会議で納得したな」
「正直神星の十人だけやなくて他の皆も納得してくれてよかったわ」
綾乃もこのことについてほっとした様な顔で述べた。
「好戦的で戦ずっとしたい子がおらんで」
「世の中そんな奴もおるみたいやけどな」
中里はその綾乃に応えた。
「もう戦が好きで好きでしゃあない」
「そんな人もおるんやね」
「その中にいたいとかそこから利益を得たいとか」
「死の商人やね」
「ブラック何とかみたいなな」
「ああ、何とかゴーストやね」
「まあ実際戦で利益得るよりもや」
戦争を起こさせてそこで双方に兵器を売ってとだ、芥川は冷めた目で話した。
「世の中歯ブラシでも作って売った方が利益になるわ」
「それが現実やな」
「そや、兵器ってこっちの世界でもそやろ」
「武器でもな」
「強ければ強くなる程な」
「開発と製造にお金がかかるな」
「そや、その割に売れる市場が限られてる」
そうなることをだ、芥川は話した。
「まだ拳銃とか剣は売れるが」
「軍艦とかはな」
「そうそう売れんやろ」
「かなりのお金かけて研究と開発して設備整えて建造してもな」
「そうなるさかいな」
「戦では儲からんか」
「それよりも産業発展させてや」
戦を起こさせるよりもというのだ。
「それでもの売る方がずっと儲かるわ」
「普通の商品をやな」
「歯ブラシなんて兵器と比べたらずっと安くええもんが出来て」
「売れるな」
中里もそうだと返した。
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