夢幻水滸伝
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第百五十話 夜襲その七
「この辺りはちゃう」
「この通りやな」
「荒れ狂ってる」
「それでやな」
「僕等も使う」
「そういえば同盟はここ来るまで結構時間かかってるな」
中里は熱い茶を飲みつつ言った、三人共もう鍋を食べ終えて戦がはじまるのを今か今かと待っている。
「合流にも」
「一番早く動いたのにな」
「それは船が木製でか」
「天候が荒れてたら動けんからな」
「それでやな」
「天候に随分足止め受けてたんや」
そうだったというのだ。
「この辺りほんまにな」
「技術の違いが出てるな」
「嵐でも吹雪でも行き来出来る」
「そやないとな」
「戦にも影響が出るわ」
そうなるというのだ。
「ご覧の通りな」
「そういうことやな」
「それでや」
「同盟は進撃が遅れて」
「今ここでや」
「僕等とやな」
「戦うことになるが」
芥川はこうも言った。
「それが相手の望む時間かどうか」
「それやな」
「そや、相手の望む時間では戦わんのが戦や」
芥川は中里ににやりと笑って話した。
「そして自分の望む時間にや」
「戦うべきやな」
「それで今からや」
「夜襲を仕掛けるんやな」
「そうする、そこでや」
まさにというのだ。
「天候が荒れ狂ってるさかいな」
「余計にええな」
「ほな今からな」
「戦やな」
「鍋をたらふく食ってあったかい服も着て」
そうしてというのだ。
「カイロも中に入れてる」
「充分過ぎる程あったかいな」
「そや、今からな」
まさにというのだ。
「攻めるで」
「ほなな」
「全軍戦闘用意や」
それに入るとだ、綾乃も言った。
「勿論うち等もな」
「それに入るな」
「うち等三人も一騎打ちをする予定やしな」
「今回はな」
「それで尚更や」
「それに入るな」
「そうしてな」
さらにだった、綾乃は中里に話した。
「勝とうな」
「そうしよな」
「しかし。二十倍の敵との戦になると」
どうかとだ、綾乃は遠い目になって述べた。
「夜襲に吹雪の中での戦になるけど」
「それでもな」
「流石に二十倍の数の軍勢との戦やと」
「幾ら技術の差があって星のモンもこっちが多くてもな」
「大変な戦になるね」
綾乃は中里に話した。
「実際に」
「そやね、けれどな」
「僕等三人もおるからやな」
「何とかしていこうな」
「そういうことやな」
「けど一戦で戦が終わることは」
そのことはとだ、中里は話した。
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