夢幻水滸伝
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第百五十話 夜襲その四
「同盟の方も警戒してるね」
「当然やな、敵の動きを掴まんとな」
中里が応えた。
「戦にならんわ」
「それでやね」
「雲とか吹雪の外側にな」
「空船とか艦艇送って」
「そうして偵察してるわ」
「そやね」
「けど木製やからな」
中里もこのことを話した。
「それでや」
「雲とか吹雪の中は入られん」
「こっちへの偵察は限度があるね」
「技術の差が出たな」
まさにとだ、芥川も言ってきた。
「木製の船は金属製より脆いからな」
「それでやね」
「雲の中には入られん」
「若し入ったらバラバラになるから」
「それは無理や」
「移動要塞自体もやね」
「あれもな」
エリュシオンもというのだ。
「速度が遅いやろ」
「それで軍勢の武器も」
「吹雪とかの中やと満足に戦えん」
「こっちの銃や大砲とちゃうね」
「こっちは吹雪の中でも使える」
その技術はというのだ。
「満足にな」
「この差は大きいね」
「そや、それでな」
だからだというのだ。
「出来れば吹雪の中で戦うで、その前に」
「将兵はあったかい服着て」
「カイロとかも使ってな」
「身体あっためて」
「戦の前にはあったかいもんをよおさん食って」
そうもしてというのだ。
「戦うで」
「そうするんやね」
「そうするで、もうすぐ戦や」
この時が近付いているとだ、芥川はこうも言った。
「用意に入るか」
「そやね、ほな食事はお鍋にしよか」
「ああ、身体をあっためような」
日本軍は戦の用意に入った、何時でも戦える様に整え。
食事も摂った、全将兵が鍋を食うが喜久子は水炊きを食べつつこんなことを言った。
「あったまりますね」
「はい、本当に」
純奈は喜久子と共にその水炊きを食べつつ応えた。
「寒いですから余計に」
「いいですね」
「これからですね」
「お鍋を食べて」
「そうしてですね」
「戦です」
それに入るというのだ。
「そうなります」
「では」
「はい、今はどんどん食べましょう」
「そうしてたい」
美鈴もいる、彼女も水炊きを楽しんでいる。
「身体をあっためるとよ」
「そうですね、寒い中で戦うと」
「身体が冷えて満足に動けんとよ」
そうなるというのだ。
「だからたい」
「こうして温かいものを食べて」
「服をしっかりと着て」
そうしてというのだ。
「そのうえでたい」
「カイロも使う」
「そうするとよ、私も下着の上から二枚多く着ているたい」
「私もです」
喜久子もそうだと答える。
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