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夢幻水滸伝

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第百五十話 夜襲その三

「この度は」
「斥候は出さなあかんし」
「しかし損害を出す訳にはいかん」
「そこまで考えたら」
「それしかない」
 こう小雪に言うのだった。
「今はな」
「そうじゃのう」
 碧も考える顔で言ってきた、あまり考えていない印象があるとも言われているが緑も決して知力は低くはない。もっと言えば政も出来る。
「ここはじゃ」
「私の考えがやね」
「それしかないのう」
 碧は小雪に対して答えた。
「まさに」
「ほな」
「わらわも小雪ちゃんの考えに賛成じゃ」
「多数決取る?」 
 愛は碧の言葉を聞いてからその場にいる一同に提案した。
「ここは」
「そやな」
 小泉は愛のその提案に応えた。
「そうしよか」
「反対の人は代案出すってことで」
「それでな」
「ほな賛成の人が手を挙げてな」
 愛がこう言うとだった、その場にいた九人全員が手を挙げた、愛自身もそうであり小泉もであった。
 その全員の挙手を見てだった、小泉は言った。
「反対する理由がないというかな」
「これ以上の対策はないけえ」
 碧が続いた。
「わらわ達には」
「鉄の船、それも大きいのがあれば」
 玲も言う。
「雲や嵐の中に出せるが」
「それでもな」
「ここはそれしかない」
「正直代案は考えつかんけえ」
 碧だけではなく他の面々も同じだった。
「正直」
「ほんまにな」
「これでいって」
「そして日本軍が出て来たら」
「そっちに向かうけえ」
「そやな」
「わらわ達が雲や嵐の中で戦をすれば」
 どうなるかとだ、碧はこうも言った。
「戦にならんけえ」
「鉄というか金属ってほんま強いんやね」
 愛の今の言葉はしみじみとしたものだった、その言葉で言うのだった。
「つくづく思うわ」
「そやな、それはな」
 実際にとだ、坪内は答えた。
「そのことは」
「技術革新して」
 愛はさらに言った。
「鉄の船持たんとな」
「全くやな」
「技術ってほんま大事や」
 愛はこうも言った。
「今回実感したわ」
「戦の後やな」
 それはとだ、小泉は言った。
「全部」
「今はこの状況で勝つしかないわ」
「ないものねだりをしたいなら」 
 その時はというと。
「戦が終わって政でな」
「ことを進めて」
「手に入れるべきや」
「そういうことやね」 
 愛は応えた、そうしてだった。
 同盟は雲や嵐もっと言えば吹雪のすぐ外に斥候を出して日本の動きを警戒していた。その彼等を見てだった。
 綾乃は軍議の中でこう言った。 
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