夢幻水滸伝
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第百五十話 夜襲その一
第百五十話 夜襲
小泉は日本の移動要塞である蓬莱の動きを聞いて言った。
「居場所を隠してやな」
「それでこっちに来るな」
小泉の傍にいる田山も言った、横溝と坪内、島崎も一緒だ。
「そうしてくるな」
「間違いないな」
島崎は田山の言葉に頷いた。
「日本らしいっていえばらしいな」
「ああ、ほな雲の中にも斥候を出すか。いや」
坪内は自分のその言葉を苦い顔になって収めてあらためて言った。
「うちの空船やとな」
「はい、木製ですから」
それでとだ、横溝は話した。
「迂闊に中に入りますと」
「あまりにも強い嵐の中で壊されかねん」
小泉は腕を組み苦い言葉を出した。
「そやからな」
「雲の中にはですね」
「迂闊に斥候を送れん、下の海も荒れると」
そうなると、というのだ。
「木の船はどうしてもまずい」
「はい、技術の低さが出ますね」
「こうした時にな」
「困ったことに」
「しかし言ってもしゃあない」
小泉はこうも言った。
「そやからな」
「この場はですか」
「そのことを踏まえてな」
そうしてとだ、小泉は横溝に話した。
「戦うしかない」
「その通りです、ですから」
「拙攻は送れる限りでやな」
「送り」
「敵を見るか」
「そうしましょう」
「それを江戸川にも言うか」
愛、共に同盟を率い彼女にもというのだ。
「そうするか」
「これからですね」
「ああ、ほな今から会うか」
「そうしましょう、こうした話は迅速にです」
「っさもないとな」
島崎もこう言った。
「日本は動きが速い」
「そうです、彼等は数こそ少ないですが」
「動きが速くてな」
「知略があります」
「それだけにな」
「こうした時は我々もです」
「すぐに動いてな」
「対さねばなりません」
「そういうことやな」
「ほな行くか」
田山もここで言った。
「私達五人も」
「あちらも四人揃っているでしょうし」
横溝は田山にも応えた。
「ですから」
「今やな」
「はい、行きましょう」
「ことは急ぐ」
坪内は確かな声で述べた。
「会相手は普通の相手とちゃうからな」
「日本です、多くの星の方がいて」
「神星も三人おる」
「そうした相手ですから」
それだけにというのだ。
「我々も置くれてはなりません」
「ほなな」
「今から江戸川さん達のところに行きましょう」
こう話してだった、北極の五人はすぐに愛達のところに向かった。愛達はこの時はエリュシオンの中央にある宮殿、司令部にあたるそこの会議室でこれからのことを話していたが。
小泉達の言葉を聞いてこう言った。
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