夢幻水滸伝
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第百四十七話 巨獣その八
「やはり」
「どうもやな」
「はい、出来ないかと」
「タレーランとフーシェはフランスを救った」
坪内はこの事実を述べた。
「それでもやな」
「ナポレオンに全部責任押し付けてな」
小泉はこのことを指摘した。
「そうしたな」
「二人共忠誠心もなかったか」
「もう何かあれば」
その時はというのだ。
「裏切る」
「そんな連中やったな」
「やっぱりな」
田山はあらためて述べた。
「タレーラン、そしてフーシェみたいなことはな」
「出来んな」
「私達にはな」
田山は小泉に答えた。
「流石に」
「私達はアウトローなところもある」
星の者達の中ではとだ、小泉は自分達のことを話した。
「手段もある程度選ばんつもりやったが」
「そのある程度でな」
「どうしても止まるな」
「極限まではいかんな」
「一線は越えられん」
どうしてもとだ、小泉は坪内に応えた。
「それは無理や」
「あそこまでの謀略を使ってな」
「賄賂に女」
「もうそこまですることはな」
「無理や」
「裏切りも常というのはな」
「ほんまに出来ん、しかし私達は私達でや」
小泉はフォークとナイフでステーキを切った、そうして切ったそれを口の中に入れて味わいつつそうして言った。
「出来ることをな」
「やっていきますね」
「そうあるべきや」
こう横溝に話した。
「やっぱりな」
「そういうことになりますね」
「ああ、そしてこの世界を救う」
「そうもしていきますね」
「目的を果たすんや」
自分達がこの世界に来て与えられたそれをというのだ。
「是非な」
「そういうことですね」
「そしてその為にな」
「まずは、ですね」
「日本と戦って」
そしてというのだ。
「勝つか」
「日本はこれまでずっと勝ってきてる」
島崎はこの事実も指摘した、それも鋭い目で。
「強いことは事実やな」
「確かに兵は少ない」
小泉は日本軍の弱点であるこのことも指摘した。
「六十万、こちらの二十分の一や」
「しかしやな」
「技術力はこっちより遥かに高くな」
島崎に対しても話す。
「そして星の者の数もな」
「多いな」
「強いことは間違いない」
「そやな」
「その日本に勝つには」
小泉はさらに言った。
「兵の数で押す」
「それが一番か」
田山は小泉の言葉に応えた。
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