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八条学園騒動記

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第五百七十八話 文化祭前夜その七

「乗馬の授業もあるの」
「乗馬は乗馬でか」
「別にあるのよ」
「乗馬は特別か」
「モンゴル人にとって馬に乗ることは民族のアイデンティティだから」
 遊牧民としてのそれだというのだ、伊達に遊牧民として草原で生きてきて今に至る訳ではないということか。
「それでね」
「学校の授業で馬に乗っているんだな」
「もう読み書きと一緒で」
 そこまでのものだというのだ。
「皆普通に馬に乗れるから」
「だからか」
「役者さんも訓練なしにね」
「もっと言えば子供の頃から訓練を受けているな」
「そんなのだからね」
 それが為にというのだ。
「皆馬に乗ってるから」
「チンギス=ハーンもか」
「役者さんもね」
「馬に乗る訓練なしでいきなり演じられるか」
「そうなのよ」
「成程な」
「それで草原はアトラクションなくて」
 それでというのだ。
「エキストラの人達もね」
「草原でか」
「普通に集まるし来てもらってもいいし」
「しかもその人達も馬に乗れるな」
「モンゴル人だからね」
 理由はその為だった。
「だからね」
「それでか」
「楽なのよ」
「成程な」
「お食事とかも普通に再現出来るし」
「というか今も普通に食べてるよね」
 マルコがまた突っ込みを入れた。
「ナンにしても」
「チンギス様の頃のお料理もね」
「そうだよね」
「肉料理とか乳製品とかね」
 モンゴル料理のメインはこうしたものである。
「ずっと変わってないから」
「クミズもだよね」
「そうそう、このお酒もね」
 ナンはクミズを飲み続けている、次から次に飲んでいてそれが止まる気配は全くない。既にかなりの量を飲んでいる。
「チンギス=ハーン様もね」
「飲んでいたんだ」
「そうだったのよ」
「その頃からなんだ」
「それでもっと言えばね」
 ナンは飲みつつさらに話した。
「匈奴の頃からね」
「クミズ飲んでいたんだ」
「生活基本あの頃から変わってないから」
「そうだったんだ」
「草原でね、それで強さもね」
 モンゴル人のそれもというのだ。
「匈奴の頃からね」
「変わっていないんだ」
「そうだったから」
「食べものもなんだ」
「それも一緒で」
 おそらく、というのだ。
「それでね」
「食べるにしてもだね」
「変わってないみたいよ」
「ずっとクミズ飲んでたんだ」
「お肉も乳製品も」
 こうしたものもというのだ。
「食べてきているのよ」
「その頃からなんだ」
「それでチンギス=ハーン様もで」
 このモンゴルの歴史上最大の偉人もというのだ、モンゴルでは神格化されていて崇拝さえされている。
「私達もね」
「食べているんだ」
「それで飲んでるのよ」
 こうマルコに話した。 
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