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八条学園騒動記

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第五百七十八話 文化祭前夜その五

「どうしてもイメージがあるな」
「モンゴルのね」
「遊牧民のな、それでお前実際に馬に乗ること多いな」
「登下校はいつもだしね」
「普通に街の中を移動する時もな」
「馬に乗ってるわ」
 ナンもこう答える。
「オートバイみたいなものよ」
「そうだよな」
「もっと言えば足だしね」
「モンゴル人のそれだな」
「馬はね」
「ナンも歩くより先にか」
「そう、お父さんとお母さんに馬に乗せてもらったそうよ」
 歩く前にというのだ。
「生まれてすぐにね」
「本当に歩く前に馬に乗ったんだな」
「モンゴル人らしいでしょ」
「確かにな」
「それで子供の頃、歩く頃には」
「普通に馬に乗っていたんだな」
「そうだったのよ、自分一人でね」
 こう洪童に答える。
「私以外にもね」
「モンゴルではそうした人が多いんだな」
「そうよ、歩く前から馬に乗って」
 そしてというのだ。
「歩くのと一緒にね」
「手綱持ってか」
「馬に乗ってたわ、一人でね」
「つくづく凄いな」
「ちなみに手綱や鐙がなくても」
 そうした馬具がなくともというのだ。
「鞍もなくてもね」
「乗れるんだな」
「普通にね」
「それがモンゴルだと普通か」
「だから歩く前に馬に乗ってね」
 そうした育ちをしているからだというのだ。
「馬の考えもわかる位だから」
「馬に親しんでいるからか」
「自分の足みたいにね、だから馬具が全くなくても」
 例えそうでもというのだ、尚馬具は徐々に発明されたものであり三世紀頃の中国では手綱や鐙はなかったという。
「乗れるのよ」
「そうなんだな」
「それで飛び移ることもね」
 馬から馬にだ。
「出来るし」
「隣を走る馬にだね」
「もうこれは普通だから」
 こうマルコに話した。
「モンゴルだとね」
「曲芸レベルだけれどね」
「だって馬に乗って弓矢使うのよ」
 両手をそちらに専念させるというのだ。
「そうしたことは序の口で」
「飛び移ることもなんだ」
「もうね」
 それこそというのだ。
「普通に出来てこそね」
「それでなんだ」
「モンゴル人だから」
 ナンはこうまで言った。
「これ位はね」
「出来るのね」
「そうなのよ」
「遊牧民はそうなんだ」
「そうよ、それが出来て」
 そのうえでというのだ。
「ようやくね」
「モンゴル人とか言うんだ」
「遊牧民のね」 
 それはというのだ。
「そうなのよ」
「遊牧民って凄い野生児なんだね」
「そう言われるわね、連合中で」
「実際にそうだと思うよ。それこそね」
 マルコは酒を飲みつつまた言った、今飲んでいる酒は白ワインである。 
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