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八条学園騒動記

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第五百七十八話 文化祭前夜その三

「それでだね」
「そうそう、そのことを言われるとね」
「嬉しいんだね」
「今じゃ人口少ないけれどね」
 ただし所有している星敬は多い。
「連合の中だと」
「十億位だったかな」
「連合じゃ小国だからね」
 十億の人口では、というのだ。
「他に小さい国も多いけれど」
「三百以上の国があるからね」
「けれど人口は少なくて」
 それでというのだ。
「特に自己主張もしない」
「そうした国なんだ」
「今じゃね、世界帝国だった過去も」
 それもというのだ。
「過去でしかないわ」
「そうなんだ」
「今じゃのどかに遊牧をしてね」
 そうしてというのだ。
「静かに暮らしている国よ」
「クミズも飲んで」
「そうそう、連合では皆が知っている国だけれど」
 それでもというのだ。
「静かな国よ」
「そういえばあまりこれといって言わないな」
 洪童も言う。
「連合の中でも」
「そうでしょ」
「自己主張の強い国多いけれどな、連合は」  
 ここで洪童はこうも言った。
「韓国にしてもな」
「韓国は日本にしか言わないわね」
「それでもな」
「自己主張は確かに強いわね」
「そうだな、けれどモンゴルは」
「これといってね」
 これがというのだ。
「言わないでしょ」
「そうだな」
「そりゃ昔は大暴れしたけれど」
 そのモンゴル帝国の頃である。
「世界を席巻したから」
「無茶苦茶凄かったな」
「もう逆らう人は皆殺しでね」
 このことは歴史にある。
「街も破壊し尽くして」
「跡形もなくだったな」
「そうしていたのよ」
「とんでもなかったな」
「逆らわない相手には寛容だったけれど」
 その恐ろしさを喧伝してあえて降らせる戦略であったのだ、尚モンゴル帝国の統治は商業も宗教も自由でかなり穏やかなものであった。
 しかい逆らう相手には。
「もうね」
「何もだったな」
「微塵も容赦しなかったからね」
「無慈悲だったな」
「慈悲とか人権とかね」
 そうした言葉はというと。
「ご先祖様にはなかったわね」
「敵にはだな」
「そうした苛烈さがね」
「モンゴル帝国だったな」
「それが今じゃね」
 今のモンゴル帝国はというと。
「見ての通りよ」
「穏やかでのどかな国になったんだな」
「草原で馬に乗って羊と共に暮らすね」
「そんな国になったんだな」
「ゲルで移動しながらね」
 ナンもゲル暮らしだ、街の中を転々として生活を送っているのだ。
「平和に暮らしているわ」
「そうなったんだな」
「ただね」
「ただ。どうした」
「モンゴルも街があって」
 即ち都市がだ。 
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