八条学園騒動記
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第五百七十八話 文化祭前夜その二
「馬に乗ったままで飲むとかな」
「モンゴル人馬に乗ったままで寝ることもあるし」
「本当に馬と一緒に暮らしているんだな」
「そうよ」
実際にというのだ。
「だからね」
「馬に乗ったまま飲むこともか」
「あるのよ」
そして寝ることもというのだ。
「昔は特にね」
「物凄いお話だね」
マルコは唸って言った。
「それはまた」
「それがモンゴルってことよ」
「遊牧民の国だね」
「伊達に四本足とは言われてないわ」
モンゴル人の足はそうだと言われているのだ。
「とにかくいつもね」
「馬に乗ってるんだね」
「私は二本足で歩いている方よ」
「モンゴル人の中では」
「そう、学校じゃそうしてるから」
「とにかくモンゴル人はいつも馬に乗っているってことだね」
「自分で歩くよりも先によ」
それこそというのだ。
「馬に乗ってるのよ」
「そのお話本当なんだ」
「少なくとも私の周りではね」
「そうなんだ」
「それでパソコンとかスマホはあっても」
文明は及んでいるのだ、むしろ遊牧民達はそうした文明の力を得てそれまで以上に遊牧民らしい暮らしが出来ているとさえ言われている。
「それでもね」
「馬には乗ってるんだ」
「そう、歩くよりも前にね」
「それで馬に乗ったまま寝たり」
「お酒も飲むのよ」
「落馬するだろ」
洪童は日本酒を飲みつつ言った。
「馬に乗ってる時に酒飲んだらな」
「それで寝てもよね」
「寝ると余計にな」
それこそというのだ。
「落馬するだろ」
「いや、落馬もね」
「しないんだな」
「そうよ、もうそこは身体が慣れているから」
馬に乗る、このことにというのだ。
「本当に歩く様なものだから」
「だから落馬しないんだな」
「全くね、あと万が一落馬しても」
その事態になろうとも、というのだ。
「モンゴル人は死なないから」
「落馬って物凄いことだろ」
「もう落馬の仕方知ってるから」
だからだというのだ。
「それでは死なないのよ」
「そうなんだな」
「よく野生の国って言われるけれど」
その遊牧民の生活が連合ではそう言われるのだ。
「まあ野性味はね」
「否定しないんだな」
「実際に馬に乗ってるからね、いつも」
そうして暮らしているからだというのだ。
「それで言われるとね」
「むしろか」
「誇りよ」
ナンは洪童に笑ってワした。
「本当にね」
「それに世界帝国も築いたし」
マルコはモンゴルの過去のことも話した。
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