八条学園騒動記
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第五百七十八話 文化祭前夜その一
文化祭前夜
夜になった、すると洪童は早速だった。
酒を出した、そうしてクラス全員の乾杯の後でその酒を飲みはじめた。マルコはその彼にビールを飲みつつ言った。
「日本酒飲むんだね」
「ああ、色々考えたけれどな」
「今日はそっちだね」
「清酒な、いいよな日本酒って」
その酒を飲みつつマルコに言う。
「この独特の飲み心地がな」
「好きなんだね」
「味もな」
こちらもというのだ。
「好きでな」
「それでだね」
「今日はな」
「かなり飲むんだね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「他の酒も飲むな」
日本酒以外の酒もというのだ。
「気が向いたら」
「そうするんだな」
「それで肴はな」
それはというと。
「まあ何でもいいな」
「今柿ピー食べてるね」
「今日はおつまみは何でもいいさ」
即ち肴はというのだ。
「とにかくな」
「飲むんだね」
「ああ、飲んでな」
そしてというのだ。
「明日はな」
「二日酔いだね」
「サウナが俺を待ってるな」
「そういうことだね、じゃあ僕もね」
「飲むな」
「お酒はね」
マルコはビールが入っているコップを持っている、それと共に話した。
「僕はまずはね」
「ビールか」
「これ飲むよ、それでね」
「他のお酒も飲むんだな」
「そうするよ、しかしお酒といっても」
「皆それぞれ色々なお酒飲んでるな」
「そうだね、ナンが飲んでいるのは」
マルコは彼女が飲んでいる酒を見て言った。
「クミズだね」
「白いお酒だな」
「あれ馬の乳のお酒だったね」
「それを飲んでな」
それでというのだ。
「楽しんでるな」
「そうだね」
「ええ、これクミズよ」
そのナンも言ってきた。
「これはね」
「そうだよね」
「いいわよ、クミズ」
ナンは飲みつつ話した。
「飲みやすいわよ」
「アルコール度あまり高くないんだよね」
「そう、それで甘いのよ」
「お乳だからだね」
「そうなのよ、それでね」
そのうえでというのだ。
「甘いのよ、モンゴルでは昔から飲んでるわ」
「何時から飲んでるのかな」
「モンゴル帝国の頃からよ」
それからだというのだ。
「もっと言えばその前からね」
「古いお酒だね」
「それでモンゴル人はね」
「ずっと飲んでるんだ」
「それも馬に乗ったままでもよ」
「おい、危ないな」
洪童はナンの今の言葉に眉を顰めさせて言った。
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