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八条学園騒動記

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第五百七十七話 深酒その九

「安心してね」
「十代で死ぬとかないからね」
「やっぱり三桁までいかないとね」
 百歳以上生きてこそというのだ、連合の平均寿命までというのだ。
「生きることは」
「そうよ、十代で死ぬとかね」
「早過ぎるわね」
「人間五十年って言葉があったけれど」
 日本の熱盛の言葉だ、織田信長が好んだことでも知られている。この時代連合では日本のあらゆる時代のことが有名になっている。
「それで折り返しだからね」
「今はね」
「だからね」
「十代で亡くなるとかね」
「冗談じゃないでしょ」 
 早過ぎるというのだ。
「本当に」
「そうよね」
「だからよ」
「通の入り方、飲み方はしないことね」
「お国のね、というかロシア人ってお酒については命知らずね」
「そうしたお国柄なのよ」
 アンネットも否定しない。
「昔からね」
「そういうことね」
「寒いことと国家元首の人がコワモテのこととね」
「そのこともなのね」
「ロシアのお国柄なのよ、ちなみに国民性はね」
 これはというと。
「ロシア最大の財産って言われてるわね」
「ああ、ロシア人がいい人達多いってね」
「よく言われてるでしょ」
「素朴で無欲で親切でね」
「そうも言われてるのよ」
「実際にそうした国民性っていいわね」
「しかも我慢強いから」
 ロシア人の国民性はというのだ。
「だからね」
「ロシア最大の財産ね」
「そう言われているのよ」
「言い得て妙ね」
 ペリーヌはアンネットに頷いてそうして応えた。
「実際に国民性がいいとね」
「その国にとっていいことよね」
「若しエルロパ貴族みたいな国民性だと」
「最悪よね」
「あんな高慢ちきで底意地が悪くて贅沢三昧でね」
「自分は何もしないで他人に働かせる」
「それで偉そうに言うとか」
 そうした国民性ならというのだ。
「最悪よ」
「本当にそうよね」 
 アンネットも頷くことだった。
「まあロシアも昔は貴族の力強かったけれどね」
「それって大昔よね」
「帝政の頃ね」
「女帝エカテリーナの頃よね」
「女帝は凄い人だったけれど」
 ロシアでも連合でも偉人とされている。
「けれどね」
「それでもよね」
「当時は貴族の力は強くて」
 それでというのだ。
「もうね」
「やりたい放題だったのね」
「それで市民まあ当時そうした呼名じゃなかったけれど」
「臣民かしら」
「その殆どが農奴だったから」
 当時のロシアはというのだ。
「つまり奴隷だったからね」
「それで革命になったのよね」
「それが起こって」
 そうしてだったのだ。 
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