八条学園騒動記
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第五百七十七話 深酒その八
「ロシア人には多いけれど」
「サウナ入るのね」
「ええ、そうしないでいられないわ」
「それで汗かいて」
「身体の悪いもの出してね」
「それで体臭もなのね」
「しない様にするわ」
こう言うのだった。
「そうするわ」
「そうよね、そういえばサウナってロシア風とフィンランド風があるわね」
ペリーヌはそのサウナの話もした、尚連合のフィンランドは正確に言うとカレリアである。そのカレリアをフィンランドとして国としたのだ。連合のポーランドも特にリトアニアに近い地域を独立させて連合に入れた。そうしてエウロパを切り崩しにかかっていたがそこでブラウベルグが出て来たのだ。
「それであんたの場合は」
「フィンランド風も入るけれど」
「第一はロシア風よね」
「何といってもね」
「私最初はね」
「最初は?」
「サウナはサウナで」
それでというのだ。
「一種類しかないってね」
「そう思っていたの」
「そうだったのよ」
「それが違うのよ」
その実はとだ、アンネットも話した。
「これがね」
「そうよね」
「ロシア風とフィンランド風があって」
「それでよね」
「ロシア風サウナは結構温度低いわ」
フィンランド風と比べてというのだ。
「それでじっくり入って」
「汗をかくのね」
「それで葉が付いた木の枝で身体叩いて」
その様にしてというのだ。
「垢を落とすのよ」
「それがロシア風サウナね」
「まあ今じゃ身体タオルと石鹸で洗うけれど」
このことは忘れない、他の風呂に入った時と同じである。
「それでもね」
「そうして垢も落とすのね」
「そうなのよ」
「それがロシア風ね」
「ちなみに通はウォッカをとことん飲んで」
「それから入るのね」
「それがロシア風よ」
つまりロシア風サウナの入り方だというのだ。
「通の入り方したら下手したら死ぬけれど」
「心臓に思いきり悪いわね」
「だからロシアでもこの入り方は駄目って言われてるの」
その実はというのだ。
「これがね」
「当然のことね」
ペリーヌも聞いて頷く。
「自殺行為じゃない」
「ちなみにお酒の飲み方も冬は外で歩きながら飲むのも通だって言うわよ」
「ロシアの寒空の下で?」
「夜にね」
「そこで酔い潰れたらどうなるのよ」
「そのまま凍死よ」
アンネットの返事はあっさりとしたものだった。
「実際ロシアって昔はこの二つで死ぬ人多かったみたいだし」
「とことんお酒に縁のある国ね」
「凄いでしょ」
「ある意味でね」
尊敬している返事ではなかった、呆れているものだった。
「凄いわね」
「それで私も今晩は飲むから、けれどね」
「お風呂に入ってから飲むのね」
「そこはちゃんとするから」
絶対にというのだ。
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