夢幻水滸伝
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第百四十六話 大戦艦その三
「違うだろうか」
「強大な敵と戦うが故の覚悟ではなくか」
「その全てが備わっているからな」
「だからこその強さか」
「そうではないだろうか」
「若しくは二人が言った要素がどれもあり」
マロリーはワインと共にあるチーズを少し齧ってから述べた。
「そしてだ」
「あの強さか」
「そうかも知れない、日本軍がここまで勝ってきたことは確かだ」
このことは事実だとだ、マロリーはヘッセに話した。
「そのことはな」
「紛れもなくな」
「だから次の戦もだ」
「勝つかも知れないか」
「そしてだ」
マロリーはさらに話した。
「覇者になるやもな」
「太平洋と地下世界のか」
「そうだ」
まさにという言葉だった。
「そのこともだ」
「有り得る様になってきたか」
「ここまで勝ったならな」
「そうか、しかし」
「あと二戦あるな」
「同盟と連合とのな」
北極と地下世界の同盟、中南米とアフリカの連合とそれぞれというのだ。
「その二戦だ」
「その二戦はどれもな」
まさにというのだ。
「相当な激しさとなる」
「これまでの戦と同じくだな」
「間違いなくな」
「では、だ」
ユゴーは二人の話を聞いて述べた。
「日本はこれからも負けてもおかしくないな」
「特に問題となるのはだ」
ヘッセはユゴーに応えて述べた。
「やはりアレンカール君が率いるな」
「連合だな」
「そうだ、あの勢力だ」
「神星の一人が率いるだけにか」
「やはり強い」
何といってもというのだ。
「技術レベルも同盟より高い」
「同盟の技術レベルは我々より多少高い程度だな」
「正直低い、というかだ」
「この世界の欧州はな」
「未開だ」
そうした地域だとだ、ヘッセはユゴーにこのことについては苦い顔で述べた。
「卿もこのことはわかっているな」
「鉄砲がかろうじてある十字軍の時代だな」
ここでだ、ユゴーはヘッセにいささかシニカルな顔になって応えた。
「まさに」
「術のあるな」
「他の地域よりかなり遅れている」
「産業革命どころかルネサンス前だ」
アリギエーリの口調は忌々しいものだった。
「実に遅れているな」
「同盟はルネサンスは経た感じだ」
ヘッセはアリギエーリにも答えた。
「では我々よりもだ」
「先進になるな」
「そして連合はその同盟よりも進んでいてだ」
「大航海時代後期程度はあるか」
「いや、今は十九世紀初頭か」
「その辺りか」
「アメリカは一九四〇年代前半程でだ」
世界の再戦地域であるこの地域はというのだ。
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