夢幻水滸伝
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第百四十六話 大戦艦その四
「日本は一九一〇年代、中国は二十世紀初頭、南洋は十九世紀末か」
「大体そうした技術レベルか」
「ロシアとインドの枢軸は大体同盟と同じ位だ」
「ははは、我々の未開さが際立っているな」
マロリーはヘッセの話をここまで聞いてシニカルに笑ってみせた。
「実にな」
「全くだな」
「そこからどう発展させるかだな」
「欧州を統一させてな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「後は大忙しだ」
「未開の地をどう引き上げるかだ」
「そうだな」
「その統一すらだ」
ここでセルバンテスがこんなことを言った。
「全く見えていないがな」
「そうだな、しかしだ」
「何とか果たしていくな」
「欧州をな、欧州はだ」
ヘッセは起きた世界でもこの世界でもいる自分達の地域の話をした、尚ここで話しているのは今自分達がいるこの世界でのことだ。
「何万もの勢力に分かれていたしな」
「我々がこの世界に来た時はな」
「人口は五億、他の地域に比べれば少なく」
「しかも技術的にはそんなものだ」
術と火薬がある十字軍のというのだ。
「プレートメイルはあるがな」
「しかしだな」
「技術的にはそんなものでだ」
非常に低く、というのだ。
「確かに他の地域に比べると難しい地域だが」
「しかし、だな」
ユゴーはヘッセに不敵な笑みで応えた。
「我々は」
「そうだ、欧州の星の者はむしろ枢軸よりも多くな」
「そしてだな」
「全員が天の星の者でかつ個々の資質も気質もいい」
「だからだな」
「統一を果たしたらな」
その時はというのだ。
「いいな」
「欧州を発展させるな」
「未開地と呼ばれないまで、いや」
「さらにだな」
「発展させてだ、即座に枢軸と戦うか」
若しくはというのだ。
「アラブと結ぶか」
「若しくはか」
「戦になってもな」
「彼等の勢力も取り込むなり欧州とアラブを一体化させてか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「その後でだ」
「枢軸と戦うか、か」
「枢軸は言うまでもなくロシアとインドの同君勢力だ」
アリギエーリはこのことを指摘した。
「一つの勢力だがな」
「そうだ、文明圏としてはな」
「二つだな」
「言うまでもなく国家としてもな」
「その為副都制でもある」
首都機能を持っている都市を複数持っている国家だ、例えば中国の北宋は帝都は東京開封府だったが他に北京、西京、南京と四つの都を持っていた。
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