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夢幻水滸伝

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第百四十六話 大戦艦その一

                第百四十六話  大戦艦
 日本がアメリカに勝った、このことは瞬く間に全世界に知れ渡った、それは欧州の神星の者達の間にもだった。
 五騎星の者達は今は彼等が会合場所の一つに使っているキャメロット城にいた、そこでそのことを聞いてだった。
 まずはアルギエーリがこう言った。
「日本がここまで強いとは」
「思いも寄らなかったと言うしかないな」 
 ユゴーはアルギエーリに続いた。
「最早」
「全くだな」
「本命はアメリカ、対抗馬は中国と思っていた」
 ユゴーはこうも言った。
「私はな」
「卿もそうか」
「そうだ、戦力を見るとだ」
 太平洋と地下世界の諸勢力のそれをというのだ。
「日本は最弱だ」
「六十万の軍勢ではな」
「如何に星の者が多くともだ」
「負けると思う方が道理だな」
「至極な」
「私もそう思う」
 今度はセルバンテスが言ってきた、見れば五人共円卓に今はラフなロココ期の貴族の身なりでそれでワインを飲みながら話している。
「日本がここまで勝つなぞだ」
「誰が予想出来るか」
「そのアメリカも中国も破ったのだしな」
「南洋も破っている」
「その強さは本物ということか」
「考えてみればだ」
 ここでだ、セルバンテスはこうも言った。
「日本は星の者が多く神星が三人もいる」
「それも三極星、六将星、四智星とな」
「それぞれ揃っているな」
「棟梁と将軍、軍師が揃っている」
「ならばだな」
「あの強さも道理か」
「軍師の存在が大きいな」
 マロリーはグラスの中にあるワイン、自分のそれを飲んでから述べた。色は赤である。これは五人共だった。
「やはり」
「芥川か」
 セルバンテスはマロリーのその言葉に目を向けた。
「彼か」
「そうだ、彼か考えた策によって戦ってだ」
「日本は勝ってきた」
「そうだろうな、戦術を見ているとな」
「全てだな」
「彼の考えによっている」
「日本の戦い方はか」
 その戦術はというのだ。
「そうなのか」
「私が見る限りな、だが」
「だが?」
「それでもかなりの強さだな」
 マロリーは日本軍の強さに芥川の策以上のものも見て述べた。
「日本は」
「常識すら覆す様な強さと言うべきか」
 ヘッセもここで口を開いた。
「日本のそれは」
「そう思うな」
「尋常ではない、将兵の強さに」
「一騎打ちや采配を見るとな」
「星の者達もだ」
 彼等もというのだ。
「本来の実力以上少なくとも百パーセントを出している」
「それを出さざるを得ない状況だったということか」
 アルギエーリはヘッセのその言葉に応えた。
「背水の陣か」
「それを無意識のうちに強く感じていてだ」
 そしてというのだ。
「その結果だ」
「あの様にしてか」
「戦ってだ」
 そしてというのだ。 
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