八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百七十七話 深酒その二
「普通に皆酔ってね」
「それでお仕事してるから」
「普通よ、戦争の時もね」
「何時の時代?」
「今のロシア軍もね、連合創設から戦争してないけれど」
つまり千年以上昔の話になる。
「ウォッカ飲んで突撃してたから」
「酔っ払って突撃してたのね」
「逆にお酒飲まない突撃は」
それはというと。
「ロシアじゃなかったのよ」
「戦場でも飲んでるのね」
「そうなの、だからお仕事してる時も」
「飲むのね」
「そしてお仕事が終わったら」
アンネットはその時も話した。
「一服でね」
「また飲むのね」
「そうよ、お酒をね。そしてパーティーがあれば」
「やっぱり飲むのね」
「そうするのよ」
「お酒から離れないお国柄ね」
「それで私も今夜もね」
今夜は、ではなかった。
「心ゆくまで飲むわよ」
「ある意味凄いわね、けれどロシアが連合第四位の国であるのは」
三位になったりもする、連合での順位は常に日本と争っていて両国は連合で屈指のライバル関係だと言われている。
「お酒飲んでなかったら」
「もっと上になれたっていうの」
「酔っててまともなお仕事出来ないでしょ」
「えっ、酔ってないロシア人って死体と一緒よ」
アンネットはペリーヌの今の言葉にそれはないという顔で返した。
「それこそね」
「死体となの」
「そう、お酒飲まないロシア人は飲めない体質でもないと」
「いないの」
「そうよ、中にはお酒全く駄目な人いるけれどね」
「日本人には結構いるわね」
「何かあれ遺伝らしいわね」
弥生系だとアルコールを受け付けないという、織田信長等も酒はほぼ飲めない位に弱かったという。
「どうも」
「そうみたいね」
「まあロシアにも稀にそうした人いるけれど」
「それ以外の人はなのね」
「もういつも飲んでいて」
「あんたもなのね」
「ええ、それであんたも飲むわよね」
「それはね」
ペリーヌも否定しなかった。
「飲ませてもらうわ」
「そうするわよね」
「ただ私はウォッカはね」
飲むがこの酒はというのだ。
「飲まないわよ」
「そうするのね」
「ええ、強過ぎるお酒は」
どうにもというのだ。
「苦手で」
「だからウォッカ駄目なの」
「そうなの」
「ワインとかがいいわ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「沢山飲むわね」
「肴は何がいいの?」
「チーズとかクラッカーとかソーセージね」
「そういうの食べるのね」
「そのつもりよ」
「肴はウォッカと変わらないわね」
「そうね」
二人でその肴のことも話した。
ページ上へ戻る