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八条学園騒動記

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第五百七十七話 深酒その一

                深酒
 文化祭の準備もチェックも全部終わり後は翌日の開幕を待つだけとなった、それで学園全体で前夜祭ではないがクラス単位で飲み会が行われた。
 そこでアンネットはウォッカを出してペリーヌに言った。
「じゃあ早速ね」
「飲むのね」
「そう、ウォッカをね」
「あんた本当にウォッカ好きね」
 ペリーヌはアンネットにどうかという顔で述べた。
「前から思ってたけれど」
「ロシア人だからね」
 アンネットははっきりと答えた。
「だからよ」
「ロシア人イコールウォッカなの」
「そうでしょ」
「それは人によるでしょ」
「そう?私の周り皆こうよ」
 ウォッカが好きだというのだ。
「それこそウォッカがないとね」
「どうなのよ」
「お酒を飲んだことにはならないのよ」
「お酒がないとロシア人って暴れるのよね」
「お酒制限した政権潰れるわよ」
「それも本当のことよね」
「ロマノフ朝もソ連も潰れたから」
 酒に制限をかけた結果そうなったというのだ。
「ロシアではお酒を飲むな働けは禁句よ」
「というか働けはいいのよね」
「そこにお酒飲むなって付けたらね」
 そうしたらというのだ。
「アウトなのよ」
「というかお酒飲むなが駄目なのね」
「お酒飲みながら働く国だから」
「お水やお茶飲む感じでって言うわね」
「それで飲んでね」
 それでというのだ。
「働いているから」
「それでなのね」
「お酒を飲むなっていうのはお茶飲むなって言う位にね」
「ロシアでは通らないのね」
「お茶飲むなって普通言わないでしょ」
「そんなこと誰が言うのよ」
 それこそとだ、ペリーヌは返した。
「一体」
「それはロシアではね」
「お酒なのね」
「そう、そしてウォッカよ」
「それがお酒の代表だから」
「もう皆飲んでるのよ」
 そうしているというのだ。
「それで私もよ」
「そうなのね」
「だから今からもね」
「ウォッカ飲むのね」
「最初の一杯はこれで」
 これは外せないというのだ。
「それから他のお酒を飲むわ」
「ワインとかをなのね」
「ええ、ウイスキーも飲みたいわね」
「ウイスキーも強いわね」
「強いお酒をぐいっと飲むのよ」 
 そうした感じでというのだ。
「ロシアではね、それで身体を温めて」
「気分もよくなるのね」
「そう、飲めば飲む程ね」
 こうも言うのだった。
「そうなるのよ」
「それでお仕事するの」
「それがロシアよ」
「お酒飲んでお仕事するのね」
「ロシアではそれが昔から普通だから」
「問題ないって言うのよね」
「皆が皆そうで問題ある?」
 逆にペリーヌに聞き返した。
「そもそも」
「ロシア以外の国じゃ論外のお話よ」
 ペリーヌはアンネット即座に答えた。
「まさにね」
「そうよね」
「そう、けれどロシアではなのね」
「皆本当にお水を飲む様に飲むから」
 酒、それも強いことで有名なウォッカをだ。この時代でもロシアでは酒と言えばウォッカであるのだ。 
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