夢幻水滸伝
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第百四十五話 勝ち取ったものその七
「策を立ててな」
「勝っていってるんやね」
「敵の策も考えてな」
そしてというのだ。
「逆手にも取って」
「戦って」
「勝つ、とはいってもな」
「策通りにいくとはやね」
「限らん、むしろ常に僕の予想以上になってるのは」
それはというと。
「日本軍六十万が思ってるよりも相当に強いのと」
「うち等星の子達もやね」
「毎度滅茶苦茶全力で戦ってくれてな」
そしてというのだ。
「予想より遥かにや」
「頑張ってくれてるさかい」
「それでや」
その為にというのだ。
「勝っていけてるんや」
「そういうことやね」
「そや、何でもかんでも計画通りにいく筈がないんや」
「現実はそうしたものですね」
太宰もここでこう言った。
「計画を立てていくことは極めて重要ですが」
「実際にことを動かすとな」
「何かと違ってくるものです」
「そやな」
「出来ればあらゆる事態を想定することですが」
それでもというのだ。
「ことには限度もあります」
「そやな、そこは」
「政はそうしたものです」
「特に政はそやな」
「はい、現実のもので」
「それが動かすとなると」
「計画通りにはです」
「いかんな」
「そうです」
そうしたものだというのだ。
「ですから現実を見てどうことを進めるか」
「突然変なことが起こったりするしな」
「そうしたことも常ですし」
「戦も然りや」
「まことにそうですね、そしてそれは」
太宰はさらに話した。
「当然起きた世界でも同じです」
「それな、学校の行事でも部活もな」
「生徒会でも」
「現実は中々思い通りにはいかん」
「台風や地震まで誰も計画に入れないですね」
「雨位は考えてもな」
それでもというのだ。
「大災害とかな」
「考えませんね」
「考えらるとしたらな」
それこそとだ、中里も言ってきた。
「もう予言者やな」
「そういうことです」
「急に道場の床が壊れたりな」
「剣道部のですね」
「入学した時にあってすぐに修理したけどな」
「そうしたことは付きものですね」
「竹刀や防具が壊れたりな」
中里はこうした事例も話した。
「他にもあるで」
「何でもありますね」
「そやな、それと一緒やな」
「政も、そして戦も」
「ほんまやな、これまで自分達より遥かに強大な相手に勝ってきたけどな」
「全部僕の予想以上やったわ、ただな」
芥川は中里にも話した。
「当然予想以下、予想外」
「そうなることもあるな」
「そや、そしてや」
そのうえでというのだ。
「負けることもな」
「有り得るな」
「そういうことや」
「人の考えることはどんなものでも限界があるか」
「そや、しかし戦はこれで終わりやない」
「それな、次は地下世界と北極か」
「その同盟が来るわ」
こう中里に話した。
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