夢幻水滸伝

「仕掛けて決めたらとよ」
「勝ちじゃな」
「そうした勝負のかけ方もあるばってん」
「そしてそれが出来るんがじゃな」
「神星、六将星の方々たい」
「そうじゃな」
「だからたい」
　それ故にというのだ。
「安心出来んたい、ただ」
「ただ？」
「中里さんも芥川さんも神星たい」
「だからじゃな」
「そこはわかっておられるとよ」
「ならじゃのう」
「勝負はわからんとよ」
　そうだというのだ。
「ここは」
「そうじゃな」
「そうたい、勝負ばわからんにしても」
　それでもというのだ。
「ここはたい」
「安心は出来るんじゃな」
「そうたい」
　純奈は微笑み井伏そして山本に話した、そのうえでそれぞれの隊を率いて戦う。戦局は日本にとってあと一押しという状況になっていた。　
　芥川はメルヴィルとの一騎打ちを続けていた、それはまさに一進一退であったが。
　芥川はメルヴィルがブリューナクをマシンガンの様に使い気の弾を放つそれを上下左右に巧みにかわしていた。　　
　そうしつつだ、彼は言った。
「いや、ほんまにな」
「メルヴィルの旦那も強いな」
「ああ、やっぱりアメリカの棟梁の一人だけあるわ」
「六将星の一人だけあるな」
「そやからそうそうな」
「勝たせてくれんな」
「そういうことや、しかしな」
　ここでだ、芥川は狐に話した。
「そう言ってもな」
「それでもやな」
「勝つのは僕や」
　こう言うのだった。
「絶対にな」
「そう言うな」
「そや、それでや」
「そろそろ決めるんやな」
「もう気力も体力も限界や」
「それでやな」
「もうな」
　それこそというのだ。
「決めるしかない」
「そういうことやな」
「そや、それでや」
「これからやな」
「仕掛けるにしても」
　それでもというのだ。
「その仕掛け方が問題や」
「メルヴィルの旦那も強い」
「しかも頭も悪くない」
　むしろいい方であると言っていい。
「それでや」
「ここはやな」
「あまりな」
　どうにもというのだ。
「戦にするにはな」
「今はやな」
「ここで仕掛けるにして」
　それでもというのだ。
「仕掛け方が問題や」
「その通りやな」
「そや、どう仕掛けるか」
「考えはあるか？」
「一つある」
　確かな声でだ、芥川は狐に答えた。
「それをやるわ」
「そうするか」
「そや、それでや」
「ここはやな」
「やるで、メルヴィルの攻撃は正直言って相当なもんや」
　今度はタスラムを放ってくる、拳銃タイプのその神具でも攻撃を連射してきており攻撃力はかなりのものだ。