夢幻水滸伝
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第百四十五話 勝ち取ったものその三
そのタスラムの攻撃をかわしつつだ、彼は言った。
「その攻撃に正面から攻めることはや」
「難しいな」
「そや」
まさにというのだ。
「それでや」
「ここは忍術使うか」
「それが僕の今回の仕掛け方や」
「忍術か」
「それを使うで」
そうして仕掛けるというのだ。
「ええな」
「ほなな」
「そしてな」
芥川はさらに話した。
「一つええか」
「何や?」
「今回は正直な」
芥川は狐に話した。
「僕の計算ではぎりぎり生き残れるが」
「それで仕掛けた時やな」
「しかしや」
「その計算通りにいかんとやな」
「負ける」
「そうした仕掛け方か」
「それは言っておくで」
こう狐に話した。
「ええな」
「自分の計算やと間違いないと思うけれどな」
「僕もそう思うから仕掛けるけどな」
「それでもやな」
「ぎりぎり、ヒットポイントにして残り一になる」
「そんな仕掛け方やな」
「それでや」
狐にさらに話した。
「何度も言うけれどな」
「この度はか」
「ほんまにぎりぎりや」
「そういうことやな」
「そや、ほなやるで」
「ああ、わかったわ」
「そういうことでな」
こう話すのだった。
「ええな」
「全部自分に任せるわ」
これが狐の返事だった。
「今回も」
「よし、ほなな」
「勝つで」
「絶対にな」
「さて、こっちもそろそろ限界や」
メルヴィルが言ってきた、彼もこれまでの闘いで気力も体力も限界に達しようとしている。それで今こう言ったのだ。
「それでや」
「決めるか」
「そうするわ」
「そうするんやな」
「ああ、ほなええな」
「やったるか」
「今からな」
こう言ってだった。
芥川はメルヴィルの攻撃をあえて受けた、その瞬間にだった。
姿を消した、それは空蝉の術だった。
「ほう、そう来たか」
「ここはやな」
「そや、いきなり来るわ」
メルヴィルは芥川が姿を消したのを見て狐に話した。
「こうした時はな」
「そやな」
「後ろとか横からな」
こう言ってタスラムを何時でも撃てる様にしていた、だが。
芥川は来なかった、その代わりに。
弾が来た、メルヴィルは咄嗟にその弾をタスラムで撃って相殺した。だがその弾は。
煙玉だった、その為爆発し辺りを白い煙で包んだ、メルヴィルはそれを見て言った。
「くっ、しまったわ」
「煙玉か」
「これも忍術や」
「ほんまに忍術は色々あるな」
「ああ、まさかな」
メルヴィルは視界を遮られた中でキンググリフォンに話した。
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