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八条学園騒動記

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第五百七十六話 準備万端整ってその二

「三人で全部の場所を見て回ろう」
「手分けしないの」
「同じ場所を三人で見るとな」 
 そうすればというのだ。
「一人が気付かなくてもだ」
「後の二人が気付いたりするから」
「尚更安全だ」
「だからなのね」
「そうしたらどうか」
 こう二人に話した。
「それなら」
「その方がいいな」
 それならとだ、フックはギルバートのその言葉に頷いた。
「チェックは」
「そうだな」
「三人で手分けするよりもな」
「三人で同じ場所を見て回る」
「全部な」
「つまり三重のチェックだな」
「そうすればだ」
 まさにというのだ。
「まず問題はない」
「それならな」
「そうしていこう」
 こう話してだ、ギルバートは三人で全ての場所を点検することにした。そして実際に劇場も喫茶店も全部チェックして。
 そのうえで二人に尋ねたのだった、学園の喫茶店でコーヒーを飲みつつ言った。
「僕が見た限りではな」
「問題なしね」
「そうだったな」
「全くだ」 
 まさにというのだ。
「何もなかった」
「私の方もよ」
 アンはミルクシェーキを飲みつつ答えた。
「全くね」
「問題なしだったな」
「ええ、本当にね」
「俺が見てもだったよ」
 フックはオレンジジュースを飲みつつ笑って話した。
「全くな」
「問題なしだったわね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「そうしたことはな」
「じゃあね」
「ああ、本当にな」
 微笑んでの言葉だった。
「なかったよ」
「三人がチェックしても問題ないならな」
「まず大丈夫よ」
 アンは微笑んで言い切った。
「本当に」
「そうだな」
「じゃあ後はね」
「明日を待つだけだな」
「そうね」
「それならな」
 ギルバートはコーヒーを飲みつつさらに言った。
「夜はな」
「飲むのね」
「もうこれは全てのクラスでやるな」
「お酒って自然に出て来るからね」
 アンは笑ってこうも言った。
「この学園だと」
「色々な種類の酒がな」
「誰かが勝って来るか」
「若しくは自然とあるな」
「あれ学校側が用意してくれてるの?」
「あれグループからの差し入れらしいな」
 フックはいぶかしむアンに真顔で話した。
「行事があったらな」
「八条グループからなの」
「系列企業がな」
 学園の方にというのだ。 
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