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八条学園騒動記

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第五百七十六話 準備万端整ってその一

               準備万端整って
 クラス委員のギルバートはクラスの舞台と喫茶店の進行状況をチェックして言った。
「あと零コンマだな」
「九十九パーセント出来ているっていうのね」
「九十九・九九パーセント完成している」
 アンにこう答えた、そして。
 右手に持っている金槌で釘を打ってから言った。
「これでだ」
「百パーセントになったの」
「そうなった」
「完成したのね」
「これでだ」
 まさにというのだ。
「そうなった」
「じゃあ後は明日になって」
「文化祭がはじまってだ」
「本番を行うだけね」
「そういうことだ」
「よかったわ、これまでね」
「色々大変だったな」
「準備もね」
「そうだったよな」
 傍にいるフックも話に入ってきた。
「何かとやることあってな」
「そうよね」
「それでな」
「後はね」
「もう休むだけか」
「もう一回チェックしたい」
 だがギルバートはこう言った。
「全体をな」
「殺気チェックしただろ」
「完成したからな」
「それでか」
「あらためてだ」
 金槌を持ったままフックに顔を向けて述べた。
「そうしたい」
「お前そこは真面目だな」
「何かあったら駄目だからな」
 やはり真面目な口調で言う。
「それでだ」
「不備があって事故があったらか」
「そこで後悔しても先に立たないな」
「それはな」 
 その通りだとだ、フックも答えた。
「やっぱりな」
「だからだ」
「見て回るんだな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「無事な様にする」
「何もないことが最善」
 アンはこの言葉も出した。
「まさにその通りね」
「そうだな」
「じゃあチェック手伝うわ」
「そうしてくれるか」
「二人で手分けしたらね」
 そうしたらとだ、アンはギルバートにさらに話した。
「その分楽だし早く終わるから」
「いいか」
「そう、だからね」
「君も見てくれるか」
「そうしましょう」
「それなら三人の方がいいな」
 ここでフックも言ってきた。
「むしろ」
「あんたも手伝ってくれるの」
「ああ、二人より三人だろ」
「それはね」
「見て回ってな」
 そしてというのだ。
「点検しような」
「ならだ」
 ギルバートはアンとフックの言葉を聞いて述べた、それならと考えてそして結論を出した顔での言葉だった。 
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