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八条学園騒動記

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第五百七十五話 考えたいことその五

「いつも」
「飲んでいくとな」
「それで翌朝は、だね」
「二日酔いになって」
 それでというのだ。
「死にそうになるね」
「飲み過ぎるとな」
「まあそれでね」
「いいか」
「酒乱でないと」
 それならというのだ。
「裸になるケースもあるけれど」
「酔ってそうする奴いるな」
「あれ何でかな」
 酔って脱ぐ人間がいる、マルコはそのことがわからないのだ。酒を飲むとそうしたがる人間がいる理由がだ。
「本当に」
「癖だろ」
「癖なんだ」
「ああ、癖でな」
 それでというのだ。
「酔ったらな」
「脱ぐんだ」
「そうした癖だろ」
「わからない癖だね」
「昔は酔ったら人殺したくなる奴とかな」
 洪童は真顔で話した。
「いたらしいぞ」
「そういう奴は死刑にしないと駄目だね」
「あくまでそうした話らしいけれどな」
「本当じゃないかも知れないんだ」
「ああ、まあ流石にそれは狂ってるな」
 酒乱でもというのだ。
「流石にないって俺も思いたいさ」
「そうだよね」
「ただ、酔って暴れる人は実在するからな」
「今僕達がいる日本だと黒田清隆さんとか」 
 明治の元勲の一人である、出身は薩摩だった。
「いたらしいね」
「ああ、明治の政治家だよな」
「この人は酒乱で」
 それでというのだ。
「奥さんを切り殺したとかね」
「そんな話があるんだな」
「流石にそれはなかったらしいよ」  
 それはなかったというのだ。
「どうもね」
「それはなかったか」
「うん、ただね」
「それでもか」
「本当に酒乱で」
 このことは事実でというのだ。
「船に乗っている時に大砲撃ったとかね」
「結構以上に無茶だな」
「そんなこともしてね」
「酒癖悪いんで有名だったんだな」
「そうだったんだ、生前からね」
 その頃からというのだ。
「それで今もね」
「言われているんだな」
「そうなんだ、芹沢鴨さんもだけれど」
 この人物もというのだ。
「新選組の初代局長の」
「暴れていたんだな」
「何でもいつも朝から飲んでいて」
 酒の匂いをさせていないことはなかったという。
「その気があって」
「酔うと暴れていたか」
「お酒が過ぎるとね」
 その時はというのだ。
「それで騒動も起こしているよ」
「困った人だったんだな」
「ああ、ただね」
「ただ?」
「この人その気はあったけれど」
 酒乱のそれがというのだ。 
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