八条学園騒動記
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第五百七十五話 考えたいことその二
「それがね」
「韓国だと日本だね」
「日帝統治時代とか今も言っていてな」
一九一〇年から一九四五年までの三十六年のことだ。
「それで一方的にライバル意識も持っていて」
「本当に一方的だよね」
マルコから見てもだった。
「そこは」
「ああ、けれどな」
「それでもだね」
「そうした感情がずっと続いていて」
「それも強烈に」
「日本酒についてもそうで」
そしてというのだ。
「和食もな」
「そっちもだね」
「おおっぴらに寿司とか刺身とか天婦羅とか食って日本酒飲む」
「怒る人いるんだ」
「日本のもの飲み食いするなってな」
「誰が何食べてもいいんじゃ」
「韓国じゃ違うんだよ」
これがというのだ。
「だからおおっぴらには言えなくて」
「日本酒もよく飲んでいることも」
「そういうことだよ」
広く言えないというのだ。
「実はよく売れていてもな」
「言えないんだね」
「日本酒も製造してるぜ」
韓国の中でそうしているというのだ。
「元々マッコリと一緒だしな」
「原材料同じお米だしね」
だからだというのだ。
「一緒だね」
「ああ、マッコリと日本の濁酒そっくりだろ」
「というか殆ど同じ?」
「同じだよな」
「そう、同じでも」
それでもというのだ。
「違うんだ」
「造り方が少し違っていて」
それでというのだ。
「味も違うぜ」
「マッコリと日本の濁酒は」
「ああ、それで同じ原材料でな」
「日本酒も造ってるんだ」
「それを無理に澄んだマッコリとか言って」
呼び名、それを変えてというのだ。
「そしてな」
「飲んでいるんだ」
「ああ、結構以上におかしいだろ」
「日本への対抗心ばかりだよね」
「だからな」
それでとだ、洪童はマルコにさらに話した。
「俺はもうそういうの一切無視してな」
「日本酒も飲んでるんだ」
「日本酒って呼んでな」
澄んだマッコリと呼ばずにというのだ。
「そうしてるぜ」
「マルコ結構そういうの嫌いなんだね」
「言葉で誤魔化してどうするんだよ」
洪童は眉を顰めさせて言った。
「実際に日本酒だからな」
「日本酒って呼んでだね」
「飲むさ、彼女だっていないならな」
それならというのだ。
「もうな」
「いないってだね」
「はっきり認識してな」
そしてというのだ。
「言って動いていただろ」
「ずっとそうだったね」
「そしてな」
「彼女さん出来たね」
「ああ、隠してたり誤魔化したりしてな」
その様にしてというのだ。
「何になるんだ」
「だから堂々とだね」
「俺は言っているんだよ」
「そうなんだね」
「日本酒だってな」
この酒もというのだ。
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