八条学園騒動記
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第五百七十五話 考えたいことその一
考えたいこと
洪童はマルコに自分が今まで会った中で最も愚かな輩のことを話してだった、そうして言うのだった。
「前向きにだよ」
「今をだね」
「考えていかないとな」
「人間はそうだね」
「ああ、本当にな」
「馬鹿のことを考えるより」
「馬鹿は反面教師にしてな」
そうしてというのだ。
「それで終わらせてな」
「前にだね」
「行かないとな」
「駄目だね」
「ああ、それで今だけれどな」
「文化祭の準備は九十九パーセント出来たよ」
「じゃあ残りの一パーセントは何だ?」
準備はそれだけ進んだと聞いてだ、洪童はマルコに問うた。
「それで」
「休むことだよ」
「休めばいいのかよ」
「うん、ゆっくり休んで」
そしてというのだ。
「明日から頑張ることだよ」
「それが一パーセントか」
「そう思うよ、僕は」
「成程な」
「だから今夜はよく寝よう」
「そうしたらいいか」
「うん、よく寝て」
そのうえでというのだ。
「英気を養おうね」
「じっくり寝ることか」
「それもいいことだよ、しかし思うことは」
ここでだ、マルコはこうも言った。
「今夜も飲むよね」
「飲まないとな」
それこそとだ、洪童は言った。
「はじまらないだろ」
「そうだよね」
「ああ、だからな」
「今夜もだね」
「酒は飲むだろ」
「皆そうだね」
「俺も飲んでな」
かく言う洪童自身もだった。
「楽しむしな」
「最初からそのつもりだね」
「マッコリ飲むか」
洪童は決意した顔で言った。
「今夜は」
「洪童マッコリ好きだね」
「お米のお酒な」
「韓国のお酒だね」
「要するにあれだよ」
そのマッコリについてだ、洪童はあらためて言った。
「濁酒だな」
「そのものだね」
「ああ、それで韓国だとよくな」
「飲んでるんだね」
「他の酒だって飲むぜ」
マッコリに限らないというのだ、韓国でよく飲まれる酒は。
「ビールもワインも焼酎もウイスキーも」
「よく飲むんだ」
「ああ、あと日本酒もな」
「日本酒もなんだ」
「俺は普通に飲んでるけれど飲むと怒る奴もいるけれどな」
日本酢についてはというのだ、洪童はマルコに対してこのことについてはどうかという顔で言うのだった。
「俺は普通に飲むし実際にな」
「韓国人も結構飲むんだ」
「ああ、けれどそれはな」
日本酒をよく飲むことはというのだ。
「あまりな」
「おおっぴらに言えないんだ」
「日本のものを使うなって国だろ」
「普通そこでエウロパってなるんじゃ」
連合では、というのだ。
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