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夢幻水滸伝

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第百四十三話 近代兵器に対してその十

「若し最初の一撃が失敗していたら」
「我々は負けていますね」
「そうだったよ、今もしくじったら」
 攻撃の采配、それをというのだ。
「そこからね」
「敗れますね」
「そうなるよ、気が抜けないよ」
「そうですね、ですがこちらの水軍の攻撃は」
 砲撃や術の攻撃を見てだ、織田は尾崎に話した。
「そのアメリカ軍の攻撃よりもです」
「正確だっていうんだね」
「敵艦に攻撃を命中させ」
 そしてというのだ。
「その都度かなりの損害を与えていますが」
「将兵の練度とね」
 それにとだ、尾崎は織田に話した。
「吉川さんの采配もあって」
「やはり提督の職業の人は」
「艦隊の采配、そして攻撃の命中率も威力も」
 その両方でというのだ。
「かなり上げてくれるから」
「技術や数の差も」
「かなり縮めてくれているよ」
「そうですか」
「だから」
 それでというのだ。
「善戦出来ているんだ、それに」
 尾崎は織田にさらに話した。
「おいら達もいるし」
「指揮を執られているので」
「艦隊も星の人、特に水運関係に強い人が采配を執ると」
 そうすると、というのだ。
「陸軍と同じでね」
「強くなりますか」
「アメリカ軍にも水軍率いる人いるけれど」
 その代表がホーソーンである。
「けれどね」
「今は一騎打ちに入っておられるので」
「いないからね」
 戦には参加しているが采配は執れない、そうした意味での言葉だった。
「だからね」
「あちらはそのことでもですね」
「不利になっているよ」
「指揮官の不在ですね」
「この世界に元からいる人でも」
 星の者でなくてもというのだ。
「修行を積めばよくなっていって」
「拙僧達にも匹敵しますね」
「そうした能力を備えられるけれど」
「そこまでの方はですね」
「まずいないから」
 この世界に元からいる者がこの世界にいる者に匹敵するまでの能力を備えるにはかなりの経験が必要だ、その為である。
「だからね」
「それで、ですね」
「そう、だから」
「アメリカ軍にもそこまでの指揮官はいない」
「勿論日本軍にもだけれど」
「日本の星の者は指揮にもかなりいる」
「そう、一騎打ちに出た人にね」
 そこに人を割いてもというのだ。
「まだ二十人以上いるから」
「その点が決定的に違いますね」
「そうだよ、だからね」
 それ故にというのだ。
「そのことを活かして」
「戦っていきますね」
「アメリカ軍の数も近代装備も」
「星の者の力で対する」
「そうしていこう」
「それでは」
「次はあの艦だよ」
 尾崎は織田との話の後で艦橋にいる者達に指示を出した、指差したその先には三連砲塔を前に二つ後ろに一つ置いた巨大な艦があった、戦艦であった。 
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