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夢幻水滸伝

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第百四十三話 近代兵器に対してその九

「動きが遅れていたら」
「爆発に巻き込まれてやな」
「終わってたわ」
「そうしたらすぐに生き返らせるで」
「それは有り難い、けどな」
「最初からやな」
「こっちは死ぬつもりはないからな」
 笑ってだ、田中はオコナーに話した。
「直撃喰らうつもりはないわ」
「そやろな、やっぱり」
「それでや」
「それで?」
「そのダイナマイトだけやないしな」
 オコナーの武器はというのだ、彼の神具であるそれだけでないというのだ。
「術もな」
「そうそう、おいらはアルケミストやで」
「随分活動的な」
 服装にもそれは出ている、まるでトレジャーハンターの様である。
「そやな」
「そうやさかいな」
 それ故にというのだ。
「こっちもわかってるわ」
「おいらの俊敏さについても」
「ああ、そのすばしっこさも武器や」
 彼のそれの一つだというのだ。
「ダイナマイト、術と並んでな」
「そう言うんやな」
「しかしな、僕もな」
 田中は今度は自分のことを話した。
「神具があってや」
「金太郎の鉞やな」
「これと術とな」
「ちからもやな」
「ある、負けるつもりはないで」
「お互いにそやな、ほな」
「闘い続けるか、けど戦が終わったら」
 その時のこともだ、田中はオニールに話した。
「またな」
「楽しくだね」
「遊ぼうな」
「いいね、何をして遊ぼうか」
「ボードゲームとかどや」
「ああ、日本でも双六とかあるね」
「そうしたゲームで遊ぼうか、そっちのゲームも面白いしな」 
 ボードゲーム、それもというのだ。
「そやからな」
「ええね、ほなな」
「戦が終わったら」
「起きた世界かこっちの世界で」
「遊ぼうな」
「そうしようね」 
 田中に応えつつだ、オニールは。
 爆発系の術を続けて放ちそこからまたダイナマイトを投げる、それも何発も何発も続けて。だが田中はその爆発を空に跳んでかわす、そうしてから急降下でオニールに対して鉞の一撃を振り下ろしたが。
 オニールはそれを右に跳んでかわす、二人の闘いも一進一退だった。
 その戦の中でだ、織田は戦艦の甲板の上において傷付いた将兵達に回復の術をかけて治療しつつ言った。
「さて、戦局は今は日本有利ですが」
「やっぱりアメリカは強いね」
 尾崎は貝殻で自分の船の甲板にいる織田に言ってきた。
「そうだよね」
「はい、砲撃一つ取っても」
「威力が段違いでね」
「しかも正確です」
「それでこっちの損害もね」
「見過ごせないですね」
「この艦も攻撃受けてね」
 それでというのだ。
「この通りだよ」
「死傷者が多いですね」
「そうなんだよね、本当にね」
 尾崎はさらに言った。 
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