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八条学園騒動記

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第五百七十四話 文化祭前日その七

「それで許可貰って」
「それでか」
「大学の方は散歩でもすると思っていたけれど」
「バーベキューは許可得てたらいいだろ」
「向こうじゃ大学のキャンバスでそんなことしないそうで」
 それでというのだ。
「怒ったそうだよ」
「怒る方がおかしいだろ」
「それは連合の常識で」
「エウロパじゃ違うんだな」
「そうみたいで」
「怒ったんだな」
「みたいだよ」
 こう洪童に話した。
「これがね」
「怒る方がおかしいだろ」 
 洪童は連合の常識からこう言った。
「大学のキャンバスでバーベキューとかな」
「普通だよね」
「連合だとな」
 それこそというのだ。
「本当にな」
「確かに普通だよね」
「ああ、それこそ申請してな」
 バーベキューを開くことをだ。
「大学がいいって言ってくれたらな」
「それで焼けるよね」
「そうだろ」
「けれどエウロパの大学ってお貴族様がいるから」
「ああ、あいつ等お高く止まってるからな」
「だからね」
 それでというのだ。
「連合軍の人達がバーベキュー焼いて」
「怒ったんだな」
「大学の中で何してるってね」
「それで抗議してきたんだな」
「占領されている中でもね」
「占領している相手に言うとか勇気あるな」
 洪童はこのことは真顔で言った。
「凄いな」
「使用の許可を申請する占領軍もそうそうないけれどね」
「その辺り連合軍しっかりしてるんだな」
「占領していても法律は守れっていう考えだから」
 このことは国防長官である八条義統が徹底させた、そうしてエウロパ市民達との衝突とそこからの事態の悪化を防いだのだ。
「それでね」
「ちゃんとしてたんだな」
「そういうこともね」
「真面目だな」
「それで真面目にね」
「バーベキュー食ってたらか」
「そこでお酒も飲んで」
 そうしたらというのだ。
「怒ってきたんだよ」
「そうなんだな」
「うん、向こうは神聖な大学の中で下品に飲み食いしたってね」
「怒ってるんだな」
「向こうに言わせたら連合は野蛮人で」
 それでというのだ。
「大学でも野蛮なことしたってね」
「言ってるんだな」
「平民のパブに士官が入ったり貴族のバーに兵隊さんが入ったりとかも」
「バーは洒落て飲んでパブは砕けて飲む場所だろ?」 
 洪童はまた連合の見方から話した。
「そうだろ」
「そこもエウロパじゃ違って」
「それでか」
「貴族のレストランに士官が兵隊さん何人も引き連れて同じテーブルで食べることも」
「それも普通だよな」
「連合だとね、けれどね」 
 これがというのだ。
「エウロパじゃ本当にね」
「それが駄目でか」
「それでね」
 その為にというのだ。 
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