八条学園騒動記
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第五百七十四話 文化祭前日その六
「中央政府軍も各国政府軍も」
「だから強くないな」
「数はあって装備もいいけれど」
「それだけだな」
「本当に訓練はね」
これはというのだ。
「あまりね」
「していないことでも有名でな」
「それに対してエウロパ軍はよく訓練されているから」
「強いな」
「実際に強いよ、それにやる気も違うし」
「それもか」
「連合って軍隊も仕事の一つで」
公務員の中のそれだと考えられている、言うならば警察官や消防署員と同じ市民の仕事を守る職業である。
「お給料もいい」
「そう考えて就職するか」
「待遇がどうとか考えて」
そしてというのだ。
「就職するね」
「入隊だな」
「そうしたものだけれど」
「エウロパは違うか」
「貴族なんて代々軍人の家とかあるし」
「騎士みたいだな」
「そう、騎士でね」
まさにそれでというのだ。
「それ自体が人生だっていう考えだよ」
「仕事じゅなくてか」
「うん、お給料は貰っても」
それだけでなくもっと言えばそれ以上にというのだ。
「人生、生き方だってね」
「向こうは思ってるんだな」
「だからやる気もね」
「あっちの方が上か」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「あちらはね」
「そうなんだな」
「だからどうしてもね」
「連合軍より強いか」
「お仕事と考えているか人生と考えているか」
「その違いか」
「うん、イタリアでも代々軍人って貴族いるから」
さっきまで弱いと言っていたこの国もというのだ。
「連合より強いよ」
「捕虜になったら泣いて命乞いしていたのは昔か」
「そんなエウロパ軍の人いなかったそうだしね」
エウロパ戦役でのことだ、実際にそうした者はいなかったと言われている。
「皆勇敢でね」
「強かったんだな」
「そうだっていうから、連合軍も逃げなかったらしいけれど」
「圧倒的な数だったからな」
「だから連合軍は逃げなくて当然だよ」
数、そして装備で圧倒的に有利であればというのだ。
「その場合はね」
「勝ったしな」
「勝ち戦で逃げるのもね」
「ないな」
「ただ捕虜になったら」
連合軍の将兵達、彼等はというと。
「大人しかったらしいよ」
「そうだったんだな」
「何も喋らないけれど」
この辺りはそうする様に教育を受けてのことだ。
「何もしなくて」
「動かないか」
「そんな風で」
それでというのだ。
「本当にね」
「大人しかったんだな」
「そうみたいだよ」
「それが連合軍か」
「強くないし」
「捕まったら大人しいか」
「そうだったみたいだよ、ただ略奪暴行はしない」
それは徹底して教育を受けてきたからだ、とにかく連合軍は軍規軍律については厳しい軍隊であるのだ。
「それは凄かったみたいだよ」
「マナーはよかったのか」
「あっ、大学のキャンバスでバーベキューしたり」
「許可得てるよな」
「遊ぶから使わせてくれって申請して」
エウロパの占領地でそうしていたのだ。
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