夢幻水滸伝

「余計にいいとよ」
「それで落ちるたいな」
「確実に」
「わかったとよ、なら」
「頼むたい」
「任せきんしゃい」
　八房は笑って応えてだった、そのうえで。
　空に上がりそうしてだった、美鈴の言う通り音を遥かに超える速さで飛び回りアメリカ軍の航空機の翼を壊し。
　プロペラを止めて次々に撃墜していった、美鈴はその状況を見つつまた綾乃に対してテレパシーで話した。
「こうした風にたい」
「それぞれの神具も使ってやね」
「やっていけばいいとよ、特に」
　美鈴はさらに話した。
「風たい」
「空中に風起こしたら」
「こんなに効くものばなかとよ」
「ほな」
「ここで一番役立ってくれるのは」
「私ですね」　　
　千歳がここで出て来た、二人の話にテレパシーで入って来た。
「私が台風起こして」
「アメリカ軍の星のモンやったらその台風に一人で術なりで対抗出来るたいが」
「その星の人達も」
「全員封じた」
「いつも通り一騎打ちに持ち込んで」
「見ての通りとよ」
　丁度香菜がジェーンと闘っているのが見えた、ジェーンは自身の術と土竜爪で香菜の相手をしている、善戦はしているが。
　道士であり格闘戦では落ちるジェーンが忍者つまり格闘戦を得意としかも忍術という独特の術を使う香菜には劣勢だ、見ればアメリカの他の星の者達も日本がそれぞれ差し向けた星の者達との一騎打ちに入っている。
　それを千歳に見せてだ、美鈴はさらに話した。
「全員封じているたい」
「では私が台風や竜巻を起こしても」
「中々防げんとよ、そして束になれば防げる術ば使うモン達も」
　その彼等もというのだ。
　見れば日本の軍勢を率いる星の者達が攻撃しさせている、美鈴は千歳にその状況も見せてそうして言うのだった。
「ああしてたい」
「重点的に攻めていますね」
「まずは敵の星のモンを封じ」
「術を使う将兵を攻めて」
「航空機を攻めるモンの邪魔をさせん」
「だから私もですね」
「その風水の術思う存分使ってとよ」
　そのうえでというのだ。
「敵の航空機達をたい」
「倒せばいいですね」
「頼めるたいな」
「はい」
　千歳の返事はあっさりしたものだった。
「やらせてもらいます」
「では思う存分たい」
「やらせてもらいます」
「ほな」
　ここで大蛇の頭の一つも言ってきた。
「わし等もな」
「風を出すか」
「そうしてくか」
「炎や氷よりもな」
「風出して空の連中を倒してくか」
「あと金属やから」
　アメリカ軍の航空機がそれで造られていることからも言うのだった、見れば八つの頭でそれぞれ話している。
「ここはな」
「雷も使うか」
「それがええな」
「そういうの使ったらな」
「尚更ええな」
「つまり風と雷やな」
「連中の弱点はな」
　このことを八つの頭で話した。