夢幻水滸伝
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第百四十三話 近代兵器に対してその一
第百四十三話 近代兵器に対して
美鈴は芥川がメルヴィルとの一騎打ちに向かった後で日本軍の軍師を務めていた、そのうえで綾乃にテレパシーで話した。
「今はいいとよ」
「戦局はやね」
「そうたい、最初に空港や空母を叩いていってたい」
「アメリカ軍の航空機が弱ってるね」
「アックの言う通りたい」
美鈴は芥川を自分の呼名で言いつつ話した。
「やっぱり航空機はたい」
「航空機自体を撃墜するよりやね」
「空港や空母を叩けば」
「その方が弱まるんやね」
「ほんまにな、それに」
美鈴は無数の札を木の葉隠れの様に投げた、するとその札達は忽ち無数の火の鳥になりそのうえで敵に向かって焼いていった。
そうした攻撃を出しつつだ、綾乃にさらに話した。
「地上にある、まだ空に出てない航空機は」
「あんな脆い的はないわ」
「だからとよ」
「航空機は直接攻めるよりもやね」
「空港や空母にたい」
「地上におる時やね」
「そうした時に攻めるたい、空港や空母に予備の機体があったたいが」
アメリカ軍は出撃出来るパイロットは全て出撃させていた、これも綾乃に総攻撃を仕掛けるつもりだったからだ。
「しかしたい」
「その予備の機体もやね」
「倒していくとよ」
「予備戦力を叩いていけば」
「敵は戦い続けることが出来ん様になるとよ」
「そやからええね」
「そや、あと出撃してる航空機は」
「うち等が主にたい」
即ち星の者達がというのだ。
「撃墜していくとよ」
「ほな美鈴ちゃんも」
「この子使ってな」
この言葉と共にだった。
美鈴の横に八房が出て来た、白犬は出て来てすぐに主に言った。
「では」
「いけるたいな」
「話は聞いていたたい」
八房もすっかり九州弁になっている、そのうえでの返事だった。
「ならおいは」
「航空機をたい」
「片っ端から撃ち落としていけばいいたいな」
「実は撃墜は簡単たい」
何でもないといった口調でだ、美鈴は八房に話した。
「翼の片方に突っ込んで」
「そうしてたいか」
「穴開けるか機首のところのたい」
「あの回ってるのたいな」
「あれはプロペラとよ」
美鈴は八房にその回っているものの名前も話した。
「動かん様にしたらたい」
「終わりたいな」
「こうするたい」
美鈴はその場でだった。
敵機のうちの一機、そのままP-51ムスタングであるその敵機の機首に氷の術を浴びせた。そうしてその敵機のプロペラの動きを止めると。
その機は忽ち落ちパイロットはパラシュートで脱出した、八房にその状況を見せてそのうえで話した。
「わかったたいな」
「確かに」
八房は確かな声で答えた。
「わかったとよ」
「よし、ならたい」
「おいは空ば風の様に動いて」
「音の速さ超えられるたいな」
「三倍程に」
「なら充分以上たい」
音の三倍、起きた世界の基準ではマッハ三のその速度ならというのだ。
「飛び回ってたい」
「鉄の鳥の羽根に穴を空けるたいな」
「そうするたい、そして術で」
「プロペラの部分をたいな」
「凍らせんでもいいとよ」
「とにかく動けん様にするたいな」
「翼は叩き切れば」
穴を空けるよりもというのだ。
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