夢幻水滸伝
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第百四十二話 アメリカ軍の総攻撃その十三
日本とアメリカの戦は幕を開けた、最初は日本の思わぬ一撃からはじまった。だがそれでもだった。
戦局を見てだ、ルイスはスタインベックに言った。
「さて、それでは」
「これからやな」
「反撃です、一撃を受けましたが」
「結構効いてるな」
スタインベックは笑って述べた、だが。
それでもだ、こう言うのだった。
「お陰で目が覚めたわ」
「余裕がありますね、その余裕が」
「ええんやな」
「戦は油断は駄目ですが」
それでもというのだ。
「心に余裕があると」
「ええな」
「では戦いましょう」
「そうしような、そしてな」
「一騎打ちになりそうですね」
「ちょっと行って来る」
ホーソーンはこう言ってだった、トライデントを手に出て来た。
「夏目が来たわ」
「そうですね、彼もかなりの武芸の持ち主ですが」
「相手にとって不足はない」
まさにとだ、彼は言ってだった。
自分のところに来る玲子に向かったいった、その彼を見てだった。
自身の神具であるダグダの棍棒を手にだった、ルイスに話した。
「わいも行って来るで」
「貴方に向かってきているのは」
「タッキーや」
「滝沢君ですね」
「面白い相手や、全力で汗をかいてくるわ」
「汗をですか」
「そして勝って来る、帰ったらハンバーガーとコーラやな」
その二つを楽しもうというのだ。
「タッキーにもご馳走するわ」
「それでは、そして私も」
「行くな」
「私には井伏君が来ています」
まさにとだ、ルイスは術を以てして空を駆けアメリカ軍の中を進む彼を見てスタインベックに話した。
「では」
「ああ、健闘を祈るで」
「それでは」
二人で話してだ、そのうえで。
彼等も一騎打ちに向かった、戦は本格的にはじまろうとしていた。
第百四十二話 完
2019・12・15
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