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八条学園騒動記

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第五百七十四話 文化祭前日その一

               文化祭前日
 文化祭の準備は進みその前日になった、洪童はこの日も音響のチェックをしたがそちらは問題なく。
 BGMのチェックに入った、そこで彼はチェックしつつマルコに言った。
「ヴェルディの曲ばかりだな」
「ファルスタッフのだね」
「それ多いな」
「選曲は菅がしたけれど」
「あれか?」
 洪童はマルコの話を聞きつつ言った。
「原作同じだから菅もか」
「ファルスタッフからBGM選んだんだろうね」
「やっぱりそうか」
「実際音楽いいよね」
「ああ、ヴェルディいいな」
 洪童はまさにと答えた。
「派手でな」
「もうズンチャカチャッチャッという感じで」
「そうだよな」
「そうそう、それがね」
 まさにというのだ。
「いいんだよね」
「俺ヴェルディ好きでな」
「選曲いいっていうんだ」
「いいセンスしてるぜ」
「文句なしだね」
「むしろヴェルディじゃないとな」
 むしろというのだ。
「俺菅に文句言ってたな」
「どうしてヴェルディじゃないんだって」
「そう言ってたな」
「思い入れ強いね」
「いや、ヴェルディじゃなかったら何なんだ」
 こうまで言うのだった。
「ウィンザーの陽気な女房達のBGMは」
「ファスルタッフがあるから」
「それでだよ」
 まさにというのだ。
「俺もそう思うからな」
「いいんだね」
「ああ、もうこれでな」
「そうなんだね」
「ただな」
「ただ?」
「ブリテンだったか?」
 洪童は二十世紀のイギリスの作曲家の名前も出した、この作曲家も多くの歌劇の作品を残している。
「あの人も作曲してたよな」
「ああ、ウィンザーの陽気な女房達だね」
「タイトルそのままのな」
 まさにというのだ。
「作曲してるよな」
「そういえばそうだったかな」
「ブリテンだったかその辺りの記憶曖昧だけれどな」
 それでもというのだ。
「そうした作品あったよな」
「それでだね」
「あの作品の音楽もな」
「使おうと思えば使えるね」
「作品そのままだからな」
「そうだね、けれどね」
 それでもとだ、マルコは洪童に話した。
「それはね」
「駄目か」
「だってね」
 それは何故かとだ、マルコはさらに言った。
「知名度が違うから」
「それか」
「もうあの作品の音楽っていうと」
 何といってもというのだ。
「それこそね」
「ファルスタッフか」
「ヴェルディのこの作品だから」
 ヴェルディの最後の作品でもある、この作品を以てヴェルディはこの世に別れを告げたと言えるであろうか。
「だからね」
「それでか」
「ブリテンよりも」
 この作曲家よりもというのだ。 
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