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八条学園騒動記

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第五百七十三話 舞台のトラブルその十三

「だからな」
「嫌いでもあるんだね」
「そうだよ、反社会的な奴が多いんだよ」
 学校の教師はというのだ。
「本当にな」
「そう言うんだね」
「ああ、何度でもな」
「確信があるからだね」
「学校の先生にはなりたくないな」
 洪童はこうも言った。
「正直言って」
「それとヤクザ屋さんにはね」
「何があってもな」
「ならないんだね」
「ヤクザ屋さんと学校の教師になる位なら」
 洪童は意地でもという口調で言った。
「売れないピン芸人の方がずっといいさ」
「売れないだけだからだね」
「食えないけれどな」
 それでもというのだ、何時の時代の何処でも売れないタレント程その生活が苦しい職業は存在しない。
「それでもな」
「悪いことはしないから」
「ずっといいだろ」
「そうだね」
「それでないたい職業はな」
「そっちは何かな」
「売れてるピン芸人だよ」
 こちらだというのだ。
「なれたらだけれどな」
「さっきのお仕事と同じでも全く違うね」
「売れてると売れてないのでな」
 タレントはというのだ。
「だからな」
「それでなんだ」
「ああ、そっちにはなりたいな」
「そこは頑張らないとね」
「まあ安全牌でサラリーマンがいいか」
 洪童は笑ってこうも言った、そんな話をしつつ文化祭の用意をしていった。


舞台のトラブル   完


                 2020・5・24 
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