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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十九話 香織さんの告白その三

「どうしてもね」
「避けられないわね」
「それはね」
「そう、けれどね」
「それでもだね」
「それが出来るだけない様に、よく考えてしっかりと決める様にね」
 その様にというのだ。
「いつも言われてきたの」
「後悔しない様によく考えてだね」
「そして決めろってね」
「しっかりとだね」
「そう言われてきたのよ」
「そうだね、僕もね」
 その言葉を聞いてだ、僕は香織さんに言った。
「そのことはね」
「義和も同感よね」
「うん、そうしたいよ」
 そう心から思った、香織さんの今のお話を聞いて。
「本当にね」
「そうでしょ、だから私もね」
「よく考えてだね」
「決めるわ」
 こう僕に答えてくれた。
「そうするわ」
「何でもだね」
「ええ、だからね」
「だから?」
「今回のこともよく考えて決めたわ、後悔しない様にね」 
「?」
 僕は香織さんの言葉に真剣なものを感じた、見れば。
 香織さんは飲んでいない、それで僕に言ってきていた。
「私そのローエングリン観ていっていいかな」
「僕とだね」
「ええ、そうしていい?」
「そのことだね」
「返事はすぐでなくていいから」
 香織さんは僕に少し間を置いて即答はいいと言ってくれた。
「返事頂戴ね」
「うん、それじゃあ」
「言いたいことは言ったし」
 それでとだ、香織さんは。
 ここでワインを飲んで僕に言った。
「飲むわね」
「今からだね」
「そうさせてもらうわね」
 こう言ってだった、香織さんは実際にそのワインを一口飲んだ。それから僕に笑顔でワインの味を話してくれた。
「美味しいね」
「うん、飲みやすいね」
 僕もワインの味について笑顔で応えた。
「このワインは」
「かなりね、甘口で口ざわりもよくて」
「だからこのままでも飲めるね」
「それ位飲みやすいわね」
「そうなんだよね、けれど二本飲んだら」
 そうした場合について僕は香織さんに話した。
「僕だったらお酒残るからね」
「二日酔いになってるのね、翌朝」
「そこまではいかないけれど」
 それでもだ。
「お酒は残ってる感じがしてね」
「それでなのね」
「明日のテストに差支えが出ると思うから」
「二本は飲まないのね」
「一本だとね」
 それ位ならだ。
「残らないからね」
「一本で止めておくのね」
「あくまで寝酒だからね」
 寝酒でもそれこそ泥酔するまで飲む人がいるけれどだ、それで寝るどころか暴れる人もいるのは困ったものだ。
「だからね」
「それでなのね」
「一本にしておくよ」
「そうなのね、義和って空けたワインは絶対に飲むわね」
「そうした主義なんだ」
 このことは実際にだ。
「ボトル空けたワインはね」
「絶対に最後まで飲むのね」
「うん、そうするんだ」
「残さないのね」
「どんなワインもね」 
 一旦空けたらだ。 
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