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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十九話 香織さんの告白その一

                第二百七十九話  香織さんの告白
 僕は書斎に入って寝酒のワインをかなりの勢いで飲んでいた、どうも寝れそうにないのでお酒で眠気を得る為だ。
 けれどそこに香織さんが来た、見れば水色のパジャマ姿だ。その香織さんが書斎に入ると僕に言ってきた。
「ちょっといい?」
「どうしたのかな」
「ちょっとお話がしたいけれど」
 こう僕に言ってきた。
「いいかしら」
「うん、何かな」
 僕は香織さんにすぐに応えた。
「それで」
「もう勉強はいいのよね」
「やることはやったからね」
 それでとだ、僕は香織さんに答えた。
「だからね」
「それでよね」
「もうね」
 このことはだ。
「ワインを寝酒にして」
「それで寝るだけね」
「他のことはね」 
 それこそだ。
「もうね」
「ないのね、私もね」
 香織さんは僕に笑って言ってきた。
「もう後はね」
「寝るだけなの」
「さっきまでそうだったけれど」
 それがというのだ。
「少しお話したいの」
「そうなんだ」
「だからね」 
 それでというのだ。
「いいかしら」
「うん、ワインあるけれど」 
 僕は早速そのワインを出してきた、安いけれどモーゼルワインで白だ。今はチーズそれにクラッカーと一緒に飲んでいる。
「どうかな」
「いいの?」
「いいよ、これもね」
 今度はグラスも出した。
「あるから」
「それじゃあ」 
 香織さんは僕の隣の席に座った、そしてだった。
 僕が出した白ワインを受け取った、そうしつつ僕に言ってきた。
「ねえ、テストが終わったらどうするの?」
「どうするっていうと」
「そう、その時はね」
 どうかと言うのだった。
「どうするの?」
「どうするかっていうと」
 僕は香織さんに答えた。
「別にね」
「考えていないの」
「そうなの」
「うん、別にね」 本当にこれといってだ。
「考えていないよ」
「そうなのね」
「少なくともクリスマスまではね」
「何も考えてないの」
「予定もないよ」
 それもだ。
「別にね」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「クリスマスは歌劇観に行くよ」
 僕は香織さんにもこのことを話した。
「その時はね」
「あっ、ローエングリンやるそうね」
「そう、その時はね」
「行くのね」
「うん、ただね」
 それでもとだ、僕は香織さんにさらに話した。 
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