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夢幻水滸伝

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第百四十二話 アメリカ軍の総攻撃その五

「もうな」
「攻撃命令出したいな」
「ああ」 
 グリフォンの背にいるトウェインに述べた。
「ほんまにな」
「気持ちはわかるがな」
「わかってる、まだや」
「そや、まだや」 
 トウェインも神具を出している、そのうえでの返事だ。
「それはな」
「攻撃距離やないな」
「相手は綾乃ちゃんや」
 狙う相手の名前も出して話した。
「日本最大の戦力でな」
「しかもな」
「日本の総大将や」
「それやとな」
「こっちの最大限の総攻撃でな」 
 それを以てしてというのだ。
「もうな」
「倒すか」
「如何に綾乃ちゃんでも」
 日本最大の戦力である彼女でもというのだ。
「倒せる」
「そやな、そして綾乃ちゃんを倒せば」
「日本の総大将やしな」
「その綾乃ちゃんを倒したらな」
「日本を倒したことにもなる」
「まさに一石二鳥」
「やったるか」
 二人で意気込みを見せる、そうしてだった。
 トウェインはあらためてだった、そのうえで。 
 メルヴィルと共に全軍に総攻撃を命じた、するとアメリカ軍三百二十万は二十二人の星の者達に率いられ一斉に動いた。
 既に銃弾や砲弾が装填されている銃や大砲の照準が再度確認され綾乃を見据えた術の詠唱がはじまろうとしていた、航空機も動き狙いを定める。
 それは一瞬だった、だが。
 その一瞬を見逃す中里ではなかった、彼は既に全軍に狙いを定めさせることなく告げた。
「放て!」
「わかりました!」
 日本軍全軍は中里の言葉を受けた瞬間にだった、日本軍六十万は攻撃を放った。銃や砲だけでなく術も放たれ。
 星の者達も全員渾身の攻撃を放った、術だけでなく神具も放つ。そのうえで。
 綾乃に狙いを定めてその瞬間に動きを止めていたアメリカ軍に向かって突進した、長槍が騎兵隊を思わせる青い軍服と黒のブーツのアメリカ軍の兵士達を突き崩す。
 そこにさらに抜刀した者達が切り込む、中里はその中で綾乃に言った。
「綾乃ちゃんもや」
「ここでやね」
「そや、今回は前に出てな」
 即ち突撃を仕掛けてというのだ。
「そのうえでや」
「攻めるんやね」
「まずは第一撃は成功した」
「それやったら」
「後はどんどん攻める」
「そうしていくんやね」
「総大将が狙われてるんやったらな」
 その場合はというのだ。
「護るが」
「後ろの方に入って」
「そうするけどな」
「それをやね」
「今の僕等は逆にな」
 まさにというのだ。
「攻めるんや」
「そうしてやね」
「敵を突き崩すんや」
「まさかこうした攻めがあるなんて」
「攻め方はよおさんある」
 中里自身も攻撃を放っている、術に童子切と千鳥からそれぞれ雷と竜巻を放ちそれでアメリカ軍の将兵達を薙ぎ倒している。
 そのうえでだ、綾乃に話すのだ。
「敵が総攻撃に移る、しかもな」
「うちを狙ってるなら」
「攻めってのは広範囲に対しては特に狙いを定めんが」
「それが決められたもんやと」
「的を絞る」 
 即ち照準を定めるというのだ。 
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