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夢幻水滸伝

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第百四十二話 アメリカ軍の総攻撃その二

「スナイパーとしてな」
「わかってるわ、狙撃させてもらうわ」
「よろしゅうな」
「それで仕留めるわ」
「頼むで」
「アメリカの力見せたるか」
 オニールはその手にもうダイナマイトを出している、勿論それで綾乃を攻撃しようと考えているのだ。
「今から」
「そうしましょう、私達全員で」
 ヴォネガットがそのオニールに応える、こうした話をしつつ。
 アメリカ軍と彼等を乗せているマグ=メルは蓬莱に向かっていた、そのうえで。
 日本軍の方も彼等の動きを確認していた、それでだった。
 芥川は目の前に見えてきたマグ=メルを見つつ言った。
「ほなまずはやな」
「全軍集結やな」
「綾乃ちゃんを守ってな」
 中里に対して落ち着いた声で話した。
「そのうえでや」
「待ち受けるな」
「そのうえでな」
「戦うか」
「そや、敵は攻めてる様で」
「その実はな」
「こっちの考え通りにな」
 まさにその様にというのだ。
「動いてくれてるわ」
「そやな」
「布陣もええし統率も取れてるが」 
 それでもとだ、芥川はさらに話した。
「勝つのは僕等や」
「近代兵器にもやな」
「そや、兵器の質は確かに大きい」
 芥川もこのことは否定しなかった。
「アメリカ軍はもう戦車を持ってるしな」
「レーダーも備えてるな」
「軍艦にな、こっちはやっと中央に砲塔と艦橋置いた艦を配備してる」
「石炭で動くな」
「起きた世界では一次大戦位の兵器や」
 その頃の技術レベルだというのだ。
「それ位のもんや」
「燃料はちゃうけど空船もな」
「あっちは二次大戦のレベルで」
「大砲もでかいし装甲もしっかりしてる」
「魚雷も強い、流石にミサイルはないが」 
 それでもというのだ。
「もう航空機も導入してるしな」
「空母もあるな」
「そやからな」
「強いな」
「相当にな、この世界は科学と魔法が共存してる社会や」
 起きた世界では相反するとされる両者が共に存在しそのうえで影響し合い文明を築いている社会であるのだ。
「それでや」
「アメリカは科学もやな」
「発展させてな」
「そこまでなってるな」
「その航空機もな」
 そちらもというのだ。
「二次大戦レベルな」
「二枚羽根ちゃうな」
「日本みたいにな」
「その二枚羽根導入も苦労したんやけどな」
 中里は苦笑いで述べた。
「実際」
「ああ、かなりな」
「それでやっと使いはじめたのにな」
「向こうはもうや」
「金属製の一枚羽根やな」
「そや」
 複葉機ではなくというのだ。
「空母もあるで」
「どんだけ凄いねん」
「そして術者もな」
 こちらもというのだ。
「揃ってる、銃も自動小銃やしな」
「全体的に科学が強いな」
「あそこはな、その科学にな」
「今から向かうんやな」
「そういうことや、敵のことはな」
 それはというのだ。 
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