八条学園騒動記

　　　　　　　　　　　　　　　　舞台のトラブル
　劇で音楽を担当している洪童が一緒にやっているマルコに言った。
「おい、音楽室に行ったらな」
「ああ、劇の音楽流すのに使う」
「劇場のな、けれどな」
「それでもなんだ」
「何か音がな」
　それがというのだ。
「ノイズ入ってるんだよ」
「そうなんだ」
「だから調子がな」
「悪いんだ」
「まずいな」
　洪童はマルコに言った。
「これは」
「じゃあね」
　マルコは洪童の話を聞いてこう言った。
「それならね」
「それなら？」
「うん、演劇部に言おう」
「ああ、劇場使ってるからか」
「だから音楽室のことも」
　今洪童が言っているそのノイズのこともというのだ。
「ちゃんとね」
「話してか」
「そしてね」
　そのうえでというのだ。
「何とかしてもらおう」
「俺達でやるよりもか」
「だって劇場は演劇部の場所じゃない」
　だからだというのだ。
「演劇部にとっては普段から使っていてよく知っている場所だから」
「演劇部に聞くのが一番か」
「うん、だからね」
「ここはか」
「僕達がやるよりも」
　それよりもというのだ。
「もうね」
「演劇部に話してか」
「見てもらおう、それでね」
「ノイズをか」
「何とかしてもらおう」
　こう言うのだった。
「これから」
「早速か」
「演劇部も劇場のことは任せてくれって言ってるし」　
　その彼等もというのだ。
「だからね」
「ここはか」
「それが一番だよ」
「俺達がすることじゃないか」
「逆に僕達が何かしても」
　そうした場合はというと。
「かえってね」
「音楽室のあちこちを変に弄ったりしてか」
「それでかえって悪くしたりするから」
　その危険があるからだというのだ。
「だからね」
「しない方がいいか」
「というかしたら駄目だよ」　
　そうなるというのだ。
「むしろね」
「それもそうだな」
　洪童はマルコの言葉をここまで聞いて頷いて言った。
「確かに」
「そうだよね」
「じゃあな」
「うん、これから劇場に行って」
　そしてというのだ。
「演劇部の人に話そう」
「今あそこに部員いるか」
「いるよ、文化祭の間はあそこに常駐してるよ」
「いつもいるんだな」
「もう寝泊まりして」
　その劇場にというのだ。