八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十八話 期末テストその五
「日本武尊女装してるし」
「男の娘ね」
「そうしたお話もあるし」
「空海さん以前になの」
「そう、だからね」
僕は詩織さんにさらに話した。
「そうかも知れないしそれでお公家さんの間でも」
「同性愛ってあったのね」
「そのもつれから政争になったって話もあるし」
「それは凄いわね」
「自分の同性愛を書いた日記残した人もいるし」
平安時代の話だ。
「誰とどうしたってね」
「日記に書いてるのね」
「そうした人もいたから」
「そんなのキリスト教の世界でやったら」
「十九世紀というか二十世紀半ばまでの欧州じゃね」
「大問題よね」
「オスカー=ワイルドさんで刑務所に入ったから」
それならだ。
「もうね」
「間違いなく捕まるわね」
「そうなるね」
もうそうなることは明らかだ。
「同性愛の誰とどうしたかまで日記に書いたら」
「それを読まれたらっていうか」
詩織さんは僕にどうかという顔で言った。
「当時の日記って他の人に読んでもらうのよね」
「それを前提として書いているんだよね」
「そうよね」
「土佐日記とかね」
女性ということにして紀貫之が書いたものだ、一応女性にして平仮名で書いていたけれど見ればわかるものだった。
「更級日記も紫式部日記も」
「他の人に読んでもらう為のもので」
「それでね」
「その日記もよね」
「他の人に読んでもらう為のものだったんだ」
「物凄いわね」
「多分最近までの欧州だとサド侯爵扱いだよ」
あの人の作品の様だったと思う。
「もうね」
「あのサディズムの」
「語源になった人だけれどね」
実際にサドだっただけじゃなくてマゾヒズムの傾向も強くしかもNTR属性はあるし同性愛も楽しんでいた、そんな人だった。
「この人も人生のかなりの部分牢獄にいたけれど」
「侯爵さんの本みたいな扱いだったのね」
「その日記もね、本人さんも」
確か藤原頼長だった、保元の乱の人だ。
「確実に捕まって」
「牢獄送りかしら」
「いや、死刑だったかもね」
僕は結構本気でこう思った。
「欧州だと」
「同性愛で死刑なの」
「そう、サド侯爵死刑判決受けてたし」
高跳びして逃げていたけれどだ。
「この人他にも色々やらかしていたけれど」
「それで死刑判決受けていたのね」
「だからね」
その藤原頼長さんもだ。
「あの人もね」
「死刑かも知れなかったのね」
「同性愛を楽しんでいたことを堂々と日記に書いて人に読ませるとか」
「死刑に匹敵することだったの」
「中世の欧州だとね」
「それがどうしてもわからないけれど」
「それがキリスト教でね」
それでだ。
「当時の欧州の考えだったんだよ」
「そうなのね」
「まあそれでも楽しんでいる人はいたけれどね」
「こっそりとよね」
「ワイルドさんは堂々と反発したけれど」
それでもだ。
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